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森保JAPAN 27人目のサムライ 西シェフの「必勝ローテ」で強豪食う!W杯5大会連続出勤

[ 2022年9月13日 05:30 ]

11・20開幕 カウントダウン・カタール

選手たちに大人気のペペロンチーノを調理する西芳照氏(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 腹が減ってはW杯は勝てぬ――。世界の強豪と戦う日本代表の厨房(ちゅうぼう)を預かるのが、W杯5大会連続“出勤”となる西芳照シェフ(60)だ。今大会は中東特有の食材制限もある中、食事の時間を楽しんでもらおうと創意工夫をこらして準備している。試合3日前の夕食からは決まった一品を加える「必勝ローテーション」で雰囲気を盛り上げるなど、食の力で灼熱(しゃくねつ)のカタール大会を乗り切る。

 06年ドイツ大会から始まった西シェフのW杯も5大会目となる。監督、選手は入れ替われども専属シェフの仕事は変わらない。大事な「食」を預かる“27番目”の選手の一日は過酷の一言だ。

 「カタールでは一日(選手、スタッフら)約50人分のつもりで用意しています。午前9時の朝食に合わせて(現地ホテルの従業員の力も借りて)6時から準備。午後1時に昼食、夕飯は午後7時ごろと続きます。翌日の仕込みなどをすると日付は変わっていますが、苦ではないです。食べて力を発揮してもらえばそれに越したことはないので」

 今大会はイスラム圏のカタールで開催される。宗教上の理由で食材にも制限があるが、過去の経験から問題ないことを強調した。

 「(アルコールを含む)みりんもしょう油も持ち込めないですが、現地業者に日本食材を手配してもらっています。疲労回復に良いとされる豚肉はないですが、鶏、牛、羊を用意。魚でも良質なタンパク質はとれるので問題ないです。中東には何度も行っているのでノープロブレムですよ」

 長期の海外遠征で楽しみといえば食事。ジーコ監督時代に目の前で調理するライブクッキングを取り入れるなど、工夫をこらしてきた。最近の代表では試合3日前の夕食から、歴代人気メニューによる「必勝ローテーション」を組み込んで決戦ムードを高めている。

 「基本はビュッフェ形式。試合3日前から夕食にはハンバーグ、2日前は銀ダラの西京漬け、前日はウナギをメニューに出します。試合後にはカレーです。選手からは“今日のカレー楽しみにしているから、頑張ってきます”と言われることもあるし、ルーティンとして組み込まれていると思いますよ。前夜にウナギを出さなかったら暴動が起きちゃう感じ。W杯では国産ウナギを手配してあります。ローテーションは大丈夫です」

 歴代チームの食事シーンも見続けてきた。中でも海外で活躍する選手の食への意識の高さには感心した。

 「個々の体調管理があるので助言することはないですが、揚げ物を出すとこの油は何回使ったか聞かれます。特に本田圭佑さんからは赤と黄色のパプリカを必ず3食出してくださいと言われました。それからは、体に良いからとパプリカに見向きもしなかった選手が食べ始めました。食ベ方もまねることでサッカーがうまくなると思うんじゃないですか」

 今年1月に60歳の還暦を迎え、3月のW杯アジア最終予選のオーストラリア戦前に吉田麻也主将から贈られた赤いシェフユニホームでカタール大会へ臨む。

 「W杯を決める前日にお祝いしていただいた縁起の良い勝ちユニホームなので、W杯では前日と当日に着たいと思っています。還暦まで代表シェフを続けるとは想像していませんでしたが、ベスト8という目標に少しでも力になれるように頑張りたいです」

 《YouTubeで調理風景紹介》西シェフの公式YouTubeチャンネル「NISHI’s KITCHEN」では専属シェフとして働く舞台裏を明かしている。昨年、ACLでウズベキスタンに遠征した川崎Fに同行した際には、料理に使う水まで気をつける様子など厨房での“絶対に負けられない戦い”を撮影。また、実際に西シェフのレストランで提供しているハンバーグなど代表チームの味も余すところなく紹介している。

 ◇西 芳照(にし・よしてる)1962年(昭37)1月23日生まれ、福島県出身の60歳。東京の京懐石料理店などで修業。97年にJヴィレッジのレストランに勤務し、04年に代表専属シェフに就任。W杯は06年ドイツ大会から同行。福島県いわき市にレストラン「NISHI’s KITCHEN」を開いている。

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