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水沼 フィールドプレーヤー初の父子代表、32歳苦労人FW「やっと夢のスタートラインに」

[ 2022年7月14日 04:30 ]

19日開幕「Eー1選手権」日本代表26人発表

A代表に初招集された水沼
Photo By スポニチ

 日本サッカー協会は13日、今月19~27日に日本で開催される東アジアE―1選手権に臨む男子の日本代表26選手を発表し、プロ15年目のFW水沼宏太(32=横浜)が初招集された。父親は国際Aマッチ32試合7得点の記録を持つ元日本代表FW水沼貴史氏(62)で、親子でA代表に選出されるのはJリーグ発足後では2組目。メンバー最年長らしくベテランの味を発揮して、父がたどり着けなかったW杯出場を目指す。

 水沼がついに偉大な父に肩を並べた。07年U―17W杯出場など年代別の代表経験はあったものの、悲願だったA代表にプロ15年目で初招集。J2栃木での武者修行など苦労を重ねてようやく舞い込んだ吉報に「小さい頃からサッカーをやってきて、やっと夢のスタートラインに立てた」と目を輝かせた。

 幼少期から2世の宿命を背負ってきた。父は言わずと知れた横浜OBで元日本代表FWの貴史氏。これまでも何かと比較されてきたが、それでも持ち前の明るさと努力で乗り越えてきた。親子でのA代表入りは、Jリーグが発足した93年以降では、昨年3月に初となったGK前川黛也(神戸)と父のGK前川和也氏以来2組目。フィールド選手では初の快挙だ。

 水沼は今季、首位を走るチームの軸として活躍。アシスト6はリーグ2位で、2得点を決めた6月はJ1月間MVPにも選出された。武器は右足から放たれる正確無比なクロス。森保監督も「クロスで得点チャンスを演出するところ、またゴール前にも入っていける」と期待を寄せる。

 A代表の右FWは伊東、堂安、久保らがひしめく激戦区。それでも水沼は「自分にしかない武器がある」と自信をのぞかせる。モットーは「諦めずにひたむきに」。32歳147日で迎える19日の香港戦でA代表デビューすれば、日本歴代7位の年長記録となる。86年W杯予選で敗退し涙をのんだ父がなし得なかった夢舞台のピッチへ、遅咲きのFWが果敢に挑戦する。

 《香港戦出場なら歴代7位年長デビュー》A代表初招集の水沼が今大会初戦となる19日香港戦で出場を果たせば、32歳147日で、78年細谷一郎の32歳173日に次ぐ歴代7位の年長デビューとなる。J開幕の93年以降では32歳339日の寺田周平(08年パラグアイ戦)、32歳194日の山本脩斗(17年中国戦)に次いで3番目。歴代最年長デビューは85年にW杯予選韓国戦で記録した与那城ジョージの34歳332日。

 ▼水沼貴史氏 本人から連絡が来た。ようやく入ることができて、うれしかった。ロンドン五輪の時も最後は選ばれなかったので悔しい思いをしたと思うが、今年は多くの人に評価されているのがいいし、僕が見ていてもいいなと思っていた。30歳を過ぎているが、ずっとやり続けてきたことが結果として出たのだから、本人が一番うれしいと思う。努力のたまものだし、ずっと願ってきた彼の思いが実った。親子で日本代表は、いずれはたくさん出るようになると思うが、やはりうれしい。でも、彼も「試合に出ないと」という思いだろうし、ピッチに立ってまた違う気持ちが僕にも彼にも出てくるはず。W杯の年で最後の最後に選ばれたが、頑張っていれば、その先につながるかもしれない。

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