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セルティック 古橋、大然ら躍動で“日本化”結実V 元横浜ポステコグルー監督が就任1年で名門復活導く

[ 2022年5月13日 05:30 ]

スコットランド・プレミアリーグ   セルティック1―1ダンディーU ( 2022年5月11日 )

優勝を決め喜ぶセルティックイレブン(AP)
Photo By AP

 スコットランド・プレミアリーグのセルティックは11日、敵地のダンディー・ユナイテッド戦に1―1で引き分け、最終戦を残して2季ぶり52度目の優勝を決めた。昨夏まで横浜を率いたオーストラリア人のアンジェ・ポステコグルー監督(56)が古橋亨梧(27)、前田大然(24)ら日本人4選手を補強し、就任1年目で名門を復活に導いた。

 熱狂的ファンの歓声を受け、セルティックの選手が喜びを爆発させた。古橋や前田が歓喜のダンスを踊り、旗手や井手口の笑顔もあった。3勝3敗の出遅れから31戦不敗(25勝6分け)と逆襲し、52回目の頂点に立った。

 スコットランド・リーグ杯に続く優勝に古橋はSNSで「2つ目のタイトルを獲得できてうれしい」と発信。旗手は「異国の地で苦しいシーズンだったが、優勝という結果で報われたのは凄くうれしい」と喜びに浸った。

 昨季レンジャーズに勝ち点25の大差でリーグ史上初の10連覇を阻まれるなど無冠に終わったチームを再生したポステコグルー監督は「最高の気分。選手やスタッフを誇りに思う」。欧州での実績や知名度に乏しく、就任当初はファンから不安視もされたが、徐々に選手にハードワークを求める攻撃的なスタイルを浸透させた。

 昨夏に獲得した古橋が前半戦は公式戦16得点と活躍。年末から負傷離脱したが、1月に前田、旗手、井手口が加わった。旗手は2月の宿敵レンジャーズ戦で2得点1アシストと爆発してチームを首位に押し上げ、前田も公式戦8点に加えて献身的なスタイルで地位を築いた。前節から中3日のこの日は先発が旗手1人で前田は後半25分から、古橋も終了間際からと出番は限られたが、主力となった3人が優勝を支えた。

 横浜での監督経験からチームに適応する選手を見極めて補強した指揮官は「地球の裏側まで来る大きな挑戦だったが、みんな素晴らしかった」と満足げ。ロシアのクラブが欧州CLから除外されたため、来季は繰り上がりで本戦から出場。スコットランドの枠組みを飛び越え、“日本化”されたセルティックが最高峰の戦いに挑む。

 ▽セルティック 1887年、スコットランドのグラスゴーを本拠地に創設。ケルト系住民によって創設され「ケルト人の」を意味する「セルティック」と命名された。チームカラーは緑と白。1967年に英国勢初の欧州チャンピオンズ杯(現欧州CL)制覇を含めた主要4冠を達成。国内タイトルはリーグ戦52回、スコットランド杯41回、リーグ杯20回。05~09年にMF中村俊輔、08~10年にMF水野晃樹がプレー。ホームはセルティック・パーク(6万411人収容)。

 ▽スコットランド・プレミアリーグ 1890年に旧1部リーグが創設され、現在は12チームで構成。3回戦総当たり後に上、下位6チームに分かれ、6チーム間の1回戦で順位を決める。いずれもグラスゴーを本拠地とする優勝55回のレンジャーズはプロテスタント教徒、52回のセルティックはカトリック教徒の支持が強い。2強の対戦は「オールド・ファーム」と呼ばれ、世界屈指の過熱ぶりで有名。1985年のアバディーンを最後に37季連続で2強が優勝を分け合っている。UEFAランキングは5大リーグとポルトガル、オランダ、オーストリアに次ぐ9位。

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