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鈴木冬一 覚悟のスイス1部移籍、五輪世代レフティー「大きな壁」長友超え誓う

[ 2020年12月29日 05:30 ]

笑顔で単独インタビューに応じた鈴木
Photo By スポニチ

 目標は長友超えだ!来年1月に湘南からスイス1部ローザンヌに完全移籍するMF鈴木冬一(といち=20)がスポニチ本紙の単独取材に応じ、現在の心境などを語った。東京五輪世代のユーティリティーだが、今後は主に左サイドバックで勝負する構え。若きレフティーは将来的な日本代表入りも見据えており、マルセイユDF長友佑都(34)を超える存在になることを誓った。 

 幼い頃から夢に見た海外移籍。20歳で夢を実現させた鈴木は、後押ししてくれた湘南への感謝を口にし「サッカーを始めた小学校1年から、ずっと海外でやりたいと思っていた。だから迷いなく決めましたし、とくに不安はない。今は楽しみでワクワク感いっぱいです」と目を輝かせた。

 プロ1年目の19年はリーグ戦22試合に出場。口蓋扁桃(こうがいへんとう)摘出手術を受けた今季は出場14試合に終わったが、U―15から各年代の代表を経験した期待の若手だ。ローザンヌの期待も高く「ハードワーク、上下運動、左足の技術などを評価してもらっている」という。「前にボールをつけて他の選手が出ていって、ゴール前で人数をかけてシュートまで行く形が多い。シンプルでダイナミック」。期待に応えるべく、鈴木自身も新チームの予習に余念がない。

 左サイドが主戦場だが、ボランチや3バックの一角も務めるユーティリティー性も武器だ。ローザンヌからは「4バックだったら左サイドバックで考えている」と言われているようで、鈴木自身も今後は左サイドバックで勝負する構えだ。「その位置を自分のポジションと言ってもらえるよう、他にやる人がいないくらいの存在までならないといけない」と覚悟は決まった。

 目標は明確だ。来年の東京五輪は「日本開催なので、出たい思いはある」としながら、将来の目標はあくまでもA代表入り。日本の左サイドバックといえば、長友が長きにわたって君臨する。鈴木は「そういう位置も狙っていかないと、ダメだと思います。目標にしている選手というより、越えないといけない大きな壁」ときっぱりと話した。

 現在はフランス語も猛勉強中で、年明け1月5日にも渡欧する予定。今後のさらなるステップアップも思い描く中、持ち前の明るさでチームに溶け込み、まずは23日(日本時間24日)にホームで開催予定のシオン戦でデビューを目指す。

 ◆鈴木 冬一(すずき・といち)2000年(平12)5月30日生まれ、大阪府東大阪市出身の20歳。C大阪の下部組織出身で、高校2年の17年にトップチームに2種登録。同年9月にJ3に参加するU―23チームでJリーグデビューした。18年3月に長崎総合科学大付高に転入し、19年に湘南入り。同3月9日の鹿島戦でJ1デビューを果たした。年代別代表の常連で、17年のU―17W杯は全4試合に出場し1得点。利き足は左。1メートル65、61キロ。

 ▽FCローザンヌ・スポルト 本拠地はスイス南西部ボー州・ローザンヌで創設は1896年。国際タイトルこそないがリーグ優勝7回、スイス杯制覇9回を誇る古豪。昨季2部を制して3年ぶりに1部復帰した。指揮官は元スイス代表FWのジョルジョ・コンティーニ監督(46)。ホームはスタッド・オランピック・ドゥ・ラ・ポンテーズ(約1万5850人収容)。

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