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Jクラブ“応援合戦”再開へ知恵しぼる アイデアで無観客スタンド満員に

[ 2020年6月10日 05:30 ]

鳥栖の「砂段ティーノ」(C)S.D.CO.’LTD.
Photo By 提供写真

 Jリーグは9日に実行委員会を開催し、再開後の無観客試合の間は、サポーターが用意した応援バナー(旗、幕)の掲出を禁止する方針を定めた。掲出時の密集や、受け渡しの際にサポーターとスタッフが接点を持つ点などを考慮。村井満チェアマン(60)は「苦しい思いですが(サポーターの)気持ちを尊重しつつも安全管理の観点から合意をした」と説明した。

 クラブが自己管理の下で扱う物であれば除外される。つまり、無観客のスタジアムを彩り、選手の背中を後押しするものは、各クラブの企画によって生み出されたアイテムだけ。再開に向け、クラブ対抗アイデア勝負のカウントダウンが始まった。

 いくつかのJクラブでは既に応援企画を公表している。C大阪は「リモート応援」を検討中。電光掲示板にサポーターの写真を掲載し、携帯電話のアプリなどを使って家にいながら声援や拍手、ブーイングなどを送り、スピーカーで流す構想だ。鳥栖はサポーターの写真入り耐水段ボールボード「砂段ティーノ」を今後販売し、観客席に設置する。

 J2でも企画は進む。磐田はリモート応援システムアプリ「リモートチアラー」導入に向け13日のJ3沼津との練習試合で実証実験を行う。新潟でも段ボールサポーター「アルボールくん」を1500円で販売している。

 J1は7月4日、J2は6月27日に再開し、7月10日以降は制限付きで観客を入れる予定。2試合となる見込みの無観客試合では会場に入れないサポーターの熱を、各クラブがいかに独自でスタジアムに反映できるか。火花散るアイデア勝負も必見だ。

 ☆J1鳥栖 縦70センチ、横40センチで上半身をかたどったパネルに、サポーター自身の写真を貼り付けた段ボールでスタンドを埋める。サポーターを「サガンティーノ」と呼び、チーム名の「小さな砂が固まって岩となる」の由来から商品名は「砂段(さだん)ティーノ」。価格は3500円。

 ☆J2新潟 ユニホームをプリントした段ボールに、サポーターの顔写真やイラストを貼り付けた「アルボールくん」をスタンドに設置する。初回製作数はバックスタンド1層目の席数とほぼ同等の4000体で、価格は1500円。

 ☆J2磐田 テレビやインターネット中継で観戦するサポーターが、スマートフォンから応援するリモート応援システムの運用を検討中。専用アプリで「拍手」や「歓声」などのボタンをタップすれば、会場に設置されたスピーカーから音声が流れる。13日のJ3沼津との練習試合で公開実験する。

 《韓国“人形”設置で罰金!?》海外の無観客試合でも応援に工夫がなされている。ドイツ1部ではボルシアMGが再開後初のホームで、約1万3000体の段ボールサポーターを設置。デンマーク1部ではウェブ会議システム「Zoom」に参加したサポーターをピッチ周辺のモニターに映した。また、韓国KリーグのFCソウルは、スタンドにラブドールを設置して罰金処分を受けた。

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