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クロアチア“走力戦”初頂点へ駆ける!下馬評不利でも勝機あり

[ 2018年7月14日 05:30 ]

ロシアW杯決勝   クロアチア―フランス ( 2018年7月15日    モスクワ )

決勝戦で走り勝ち歓喜の初優勝を狙うクロアチア代表イレブン
Photo By ゲッティ イメージズ

 W杯決勝は15日(日本時間16日午前0時)にモスクワのルジニキ競技場で行われ、自国開催の98年大会以来2度目の優勝を狙うフランスと、初の頂点を目指すクロアチアが激突する。下馬評は若いタレントがそろうフランスの方が高いが、チームデータを比較するとベテランの多いクロアチアの“勝機”も浮かび上がった。14日(日本時間午後11時)にはサンクトペテルブルクで、1次リーグG組でも対戦したベルギーとイングランドとの3位決定戦が行われる。

 初頂点を狙うクロアチアは下馬評で圧倒的に不利だ。英ウィリアムヒルのオッズで勝利が5倍と、フランス勝利の1・85倍に大差をつけられた。ただし今大会6試合のチームデータ比較では大健闘。90分換算で相手に大差をつけたのは体力だ。

 ダリッチ監督が「選手は尽きることのないスタミナを示してくれた」と誇ったように、準決勝の先発平均29・0歳の“おっさん軍団”の生命線。90分当たり103・3キロを走り、フランスの101・3キロを上回る。時速24キロ以上のダッシュ回数を示すスプリント数は343・7回で、315・2回の相手を圧倒。3戦連続で延長を戦った決勝トーナメントで、スプリント数は、1回戦412、準々決勝462、準決530と、疲労蓄積とは反対に増加したのは圧巻だ。

 またRマドリードのモドリッチ、バルセロナのラキティッチと世界最高峰の司令塔2人を擁し、パス数でも479・7本対462・2本で上回る。指揮官は「3試合延長まで戦い、さらに休養日が1日短い。不利かもしれない」と覚悟しており、疲労をパスワークでカバーできるかも鍵となりそうだ。

 一方、準決勝の先発平均が25・8歳と若いフランスのアドバンテージはスピードだ。GKを除いた出場選手の大会最高速平均は時速31・17キロと、クロアチアの30・61キロを上回る。デシャン監督が「(元ブラジル代表FW)ロナウドより速い」と評す、19歳エムバペの時速32・83キロを筆頭に、5人が32キロ以上を記録(クロアチア3人)した。

 スピードを生かした突破が、それを止めようとする相手の反則数を増やしており、被反則数15・2回(クロアチア13・3回)に表れている。反則数がフランスよりも多いクロアチアの選手を退場においやるようなことがあれば一方的な展開も考えられそうだ。

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