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真司よ、殻を破れ! 名波浩氏「10番に向いていない」その真意とは?

[ 2018年4月24日 11:30 ]

【レジェンドからの言葉(3)】名波浩

98年フランスW杯、日本代表で10番を背負った名波氏
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 日本が初めてW杯に出場した98年フランス大会で10番をつけた名波浩氏(45=磐田監督)が背番号10との向き合い方に対する持論を語った。日の丸を背負う意識が希薄な日本代表への物足りなさも口にし、ロシア大会で魂のこもったプレーを期待。W杯メンバー23人が一つになることを躍進のポイントに挙げた。

 W杯で10番を背負った者にしか分からない感覚がある。名波氏は「日本代表に真司は必要だと思う」とエースナンバーの後継者に期待するからこそ、香川に殻を破ることを切望する。磐田では同じく10番の後継者である中村俊輔と監督と選手の間柄。「サウナで俊輔と一緒になった時に“真司は10番に向いていないな”という話になった」と明かした。

 「真司は責任を感じすぎる。メンタルが強い弱いではなく、インに入ってしまう。インに入るか、楽観的なのかで全然違う。次の一歩を踏み出せるかが、自分のパフォーマンス次第では日本の10番は務まらない。チームのことを考えないといけない立場。真司はまだ“点を取らなきゃ”とか、自分のことを考えすぎる。変わるところを見たい。自分次第で変われると思うから。俊輔も代表に選ばれたばかりの頃は“俺が俺が”だったけど、06年(W杯ドイツ大会)が終わってからはチーム全体を考えるプレーやコメントが増えた。そうじゃなかったら、多分、ジュビロは俊輔を獲っていない」

 現在の日本代表には物足りなさを感じている。名波氏はJリーグの試合でボールを奪われた日本代表の選手が、主審より遅いスピードで帰陣する姿を目にした。「そんな選手が日本代表というのが許せない。普段(のJリーグで)できないことが代表でできるわけがない。魂を感じない。女子(日本代表)の方がプライドを感じるし、見ていて面白い。素人の方から“女子を見習えよ”と言われても仕方ない」。欧州で活躍する選手が増え技術面が格段に進歩しているからこそ、歯がゆい。

 日本代表はハリルホジッチ前監督が電撃解任され、西野監督が就任した。W杯初戦までにチームが活動できる期間は1カ月弱。名波氏はチームが一体となる重要性を強調した。

 「戦術の落とし込みはほぼできない。12〜23番目の選手が日本のために働けるかがポイントになる。自分はサブだと思った時に気持ちを切り替えて、日本サッカーのために何ができるかを本気で考えられるか。地位や名誉を得るためにW杯に出たいと思っている選手がいるなら選ばない方がいい。面白いサッカーをやれとは思わないし、勝ちに徹するサッカーをやれとも思わない。日本が今後、いい方向に進むような集団であってほしい」。日本は6大会連続でW杯に出場中。ロシアのメンバーには22年カタール大会への道筋をつける責任がある。

 ◇名波 浩(ななみ・ひろし)1972年(昭47)11月28日生まれ、静岡県藤枝市出身の45歳。清水商(現清水桜が丘)から順大を経て95年磐田入り。99年7月からセリエAベネチアでプレーし、00年6月磐田復帰。06年C大阪、07年J2東京Vへ期限付き移籍し、08年磐田で現役引退。J1通算314試合34得点。国際Aマッチ通算67試合9得点。14年9月に磐田監督に就任した。1メートル77、70キロ。血液型AB。

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