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“元天才レフティー”岩本輝雄氏が見た16歳久保建英の立ち位置

[ 2018年3月8日 18:45 ]

3月7日のYBCルヴァン杯・横浜戦でドリブル突破するFC東京の久保建英
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 2月末に開幕したJ1、J2のリーグ戦に続いて、3月7日にはYBCルヴァンカップの1次リーグがスタートしました。私はA組の横浜―FC東京戦を観戦しにニッパツ三ツ沢球技場へ足を運びましたが、FC東京のFW久保建英(16)は思っていた以上に良い選手だなと感じました。

 久保はトップ下で先発。J1レベルの試合で90分フル出場するのは初めてですが、言われなければ16歳とは分からないのではないでしょうか。ボールを受けるポジショニング、ファーストタッチの置く場所が非常にいい。ボールのさばき方に左利き独特の意識が見えました。もう少し周囲との連携が良くなれば、もっと良くなると思います。

 まだ線が細いという指摘もあります。ですが、体は思ったより強い。横浜の屈強な選手にも1対1の局面で負けていなかったし、緩急をつけて抜くシーンもありました。何より落ち着いているのがいい。スペースを探すのがうまいし、若手にありがちな一生懸命ただガムシャラにやるのではなく、サッカーをよく知っているなという印象です。ボールを持ってから前を向くスピードが速く、途中からブラジル人のMFリッピ・ヴェローゾ(20)が出場するとテンポも上がりました。ボールを蹴る瞬間は16歳というより、むしろベテラン?と錯覚しそうになりました。

 後半22分に直接FKでゴールを狙ったシーンでは壁に当てました。FKに関しては、百戦錬磨というか、やればやるほどうまくなるもの。厳しいようですが、私からしたら「まだまだ」と言わざるを得ません。チームには他にも蹴れる選手はいるし、プロはそんなに甘くありません。課題と言われている守備に関しては周りが指摘しているほど問題はないと私は思いました。相手パスコースの切り方も悪くなかったと思います。久保の魅力は攻撃力ですが、自分が生きるプレーだけではなく味方を生かすプレーもできる。もちろん、これから伸びしろもあります。必要以上に持ち上げる必要はありませんが、その可能性は無限大です。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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2018年3月8日のニュース