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“ヤンなで世代”空回り…連敗で東アジア杯V消滅

[ 2015年8月5日 05:30 ]

韓国に敗れガックリのなでしこジャパンイレブン

女子・東アジア杯 日本1―2韓国

(8月4日 中国・武漢)
 最終戦を待たずに、なでしこジャパンの2大会ぶりの優勝の可能性が消滅した。韓国との第2戦に1―2で敗戦。前半30分に追加招集されたMF中島依美(24=INAC神戸)が先制したが、後半ロスタイムの失点で逆転負けを喫した。初戦の北朝鮮戦に続く連敗で、W杯決勝の米国戦から公式戦3連敗。大きな収穫のないまま、8日に中国と最終戦を行う。
【試合結果 東アジア杯順位表 なでしこジャパンメンバー】

 リオ五輪での抜本的な世代交代は時期尚早か。終了間際に鮮やかなFK弾を許し、若きなでしこは肩を落とす。2大会ぶりの東アジア杯制覇を逃しただけではない。対アジア勢の2連敗は06年7月のアジア杯以来。「経験の浅い選手が経験するのが大きなテーマ」と強がった佐々木監督だが、一方で「これが結果です。優勝が絶たれた」と、悔しさをあらわにした。

 経験を積んでも、勝てなければ意味はない。先発11人中10人がW杯カナダ大会の16強メンバーだった韓国に対し、なでしこは初戦の北朝鮮戦から先発9人を入れ替え、代表初出場は柴田、村松、山下の3人を数えた。柴田、村松は12年のU―20W杯で3位入賞を果たした期待の「ヤングなでしこ世代」。1点リードの後半9分には容易にボールを失うと、村松がスピードに乗った相手を止められずに失点。1―1の後半28分にはゴール前でフリーになった柴田がまさかの空振り。「不用意な失点でリズムを崩してしまった」と村松が話せば、柴田は「引っ掛けてしまった。動かずに打てば良かった。あれを決めるのが課題」と嘆いた。

 既にA代表招集歴がある“ヤンなで”たちも、存在感を発揮できない。前半には猶本が決定機を外し、田中美も無得点。「自分のできることは積極的にできた」と猶本は話すが、指揮官は「前半はパスミスが多かった」と指摘。北朝鮮戦に続いて右サイドバックに入った京川は、後半ロスタイムに不用意なスライディングで失点につながるFKを許した。京川は「時間帯としてもファウルするところではなかった」と自戒。途中交代のドリブラーの横山も鋭いカットインを仕掛けながら、2人がかりで止められた。「個々に持っている甘さがある。勝負どころでの厳しさをまざまざと経験した」と指揮官は斬り捨てた。

 なでしこは今大会を最後に11月末の海外遠征(場所未定)まで代表活動がない。来年2月にはアジア2枠を懸けたリオ五輪アジア最終予選が始まるだけに、若手年代にはこれが事実上のラストアピール。「経験をして、リオ五輪に関わる選手になってほしい」。そう強調し直した指揮官の言葉がむなしく響いた。

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