×

阪口 オランダKO弾!興毅が“ほれた”パワーさく裂ミドル

[ 2015年6月25日 05:30 ]

オランダ戦の後半、ゴールを決め喜ぶ阪口

女子W杯決勝T1回戦 日本2―1オランダ

(6月23日 バンクーバー)
 なでしこの流れるパスワークの総仕上げは阪口だった。1点リードの後半33分、大儀見が左サイドに展開し、宮間が中央へ折り返す。「スルー!」。シュート体勢に入っていた岩渕に後ろから声を掛けた阪口が左足で冷静に押し込んだ。「外したら怒られると思った」と笑った背番号6は「得点という形で貢献したことがなかったからうれしい」と、自身のW杯初ゴールに安どの表情だ。

 佐々木監督に厳命された通りの結果を残した。指揮官と出席した前日の公式会見で「隣にいる阪口がミドルシュートを決めてくれれば」と鍵を握る存在に指名されていた。指揮官の期待に応え、結果として4試合連続で1点差で逃げ切る貴重な一撃。宇津木とのコンビで攻守にリズムをもたらし、試合のMVPにも輝いた。オランダ戦後、2日連続の公式会見に出席となった阪口が「佐々木監督の下、1タッチ2タッチでやるゲームを多く取り入れて、そういう意識で選手がやってきた」と話すと、佐々木監督は「マルだね。もういいよ。ボロが出る前に帰れ」と満足そうに合いの手を入れた。

 不動のボランチを支えるのは、天性の運動センスと自己管理だ。今年1月、以前からボクシングに興味のあった阪口は共通の知人を介し、亀田家が経営する都内のジムで練習に参加した。基礎トレーニングからミット打ちなど約1時間半のトレーニングを実施。一緒に練習した元世界3階級王者の興毅が「パンチは初めてとは思えないほどいい打ち方だった。下半身が安定しているので、パワーが伝わってくる。サッカーを引退したら女子ボクシングをやったらいい」と絶賛するほどだったという。

 その練習後、焼き肉を一緒に食べた。「低カロリー高タンパクのヘルシーな赤身ばかりたくさん食べていた」と興毅は意識の高さにも驚いた。普段から健康志向。洋菓子は食べずに食べるなら和菓子。サラダは絶対に食べるなど、食生活にも気を配っているからこそ大舞台でも安定したパフォーマンスが出せる。

 今大会の6得点全てが違う選手。どこからでも得点できるチームの心臓部が阪口だ。「次の試合へ切り替えてやっていく」。背番号6が活発化すれば、なでしこも水を得る。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月25日のニュース