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武蔵 お目覚め2発「チャンス来ると」感謝のボルトポーズも

[ 2014年9月15日 05:30 ]

<日本・クウェート>後半5分、ゴールを決めた鈴木(左)はボルトのポーズをまねて喜ぶ

 仁川(インチョン)アジア大会(19日開幕)の男子サッカーが14日、他の競技に先駆けて始まった。U―21で臨む日本は仁川で、クウェートと1次リーグ初戦を行い、4―1で白星発進。ジャマイカ人の父を持つFW鈴木武蔵(20=新潟)が2得点を挙げ大勝に導いた。次戦は17日、イラクと高陽で対戦する。

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 褐色の肌に金髪。ど派手な風貌のエースが天に向かって弓を引いた。1―0の後半5分、野津田の右CKをファーサイドの植田が折り返す。鈴木はワンバウンドしたボールに詰め、ヘディングで押し込んだ。「いつも通りやっていればチャンスは来ると思っていた」と、貴重な追加点を振り返った。

 ネットを揺らした後は仲間と喜びを分かち合った。輪が解けた後で「ボルトポーズ」を披露。「すぐやるとみんなが来るんで。その後にやらないと独り舞台にならない」と、タイミングを見計らい視線を独り占めにした。父の祖国であり、自身の出生地・ジャマイカの英雄である陸上100メートル走の世界記録保持者、ウサイン・ボルト(28)とは「いつかは競演したい」と話していた。その憧れの人から開幕前にテレビ番組を通じて激励メッセージをもらった。自身も50メートルを5秒9で走る快足ストライカー。「ビックリしました。まさかボルトから(メッセージが)来るとは」。ポーズを決めて感謝の気持ちを示した。

 真のエースへ階段を上がった。手倉森監督が初采配を振った今年1月のU―22アジア選手権から、これまで練習試合を含めて9試合。いずれもFWで出場しながら無得点だったが、10試合目で決め「テグさん(手倉森監督)になってからゴールを決められてなかったので良かった」と、胸をなで下ろした。苦い過去に終止符を打つと、3―1の後半38分には右サイドの室屋のクロスを右足で押し込み2点目。「(室屋)成と目が合った。ニアに走ると見せかけて、1回止まって。理想的なボールが来ました」。チームを勝利に導き顔をほころばせた。

 次戦は17日、U―22アジア選手権の準々決勝で敗れたイラクと対戦する。鈴木自身は出場していなかったが、リオ世代が2年前のU―19アジア選手権で敗れ、翌年のU―20W杯出場を阻まれた因縁の相手でもある。鈴木は「次からもポーズを決めたいですね」。宿敵撃破のボルトポーズを決める。

 ◆鈴木 武蔵(すずき・むさし)1994年(平6)2月11日、ジャマイカ生まれの20歳。父はジャマイカ人。名前の由来は剣豪・宮本武蔵。桐生第一から12年新潟入り。12年5月19日の磐田戦でJリーグ初出場。13年5月25日の川崎F戦でJ初得点。J通算45試合4得点。利き足は右。1メートル85、74キロ。

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