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長友との約束果たす!カッサーノ 10キロ減量、W杯へ必死のアピール

[ 2014年5月6日 12:55 ]

イタリア代表入りに向けアピールするカッサーノ

 日本代表DF長友佑都(27)の親友であるパルマのFWアントニオ・カッサーノ(31)が、W杯のイタリア代表入りへアピール弾を決めた。4日のサンプドリア戦で今季12点目となる先制ゴールを挙げて2―0の勝利に貢献。4月の代表候補合宿で12年欧州選手権以来の代表復帰を果たし、自身初のW杯出場を狙うベテランの復活の理由に迫った。

 07~10年に在籍した古巣サンプドリアを相手に、31歳カッサーノが健在ぶりを示した。前半8分だ。ドリブル突破したFWビアビアニーを追って約60メートルを猛ダッシュすると、ゴール前でパスを受けて右足ダイレクトで押し込んだ。カウンターから奪った先制ゴール。「プランデッリ監督にアピールするためなら何でもやる」と話すベテランが体の切れと決定力を見せつけた。

 新天地で復活した。昨季はインテル・ミラノでリーグ戦8得点に終わったが、昨夏から加入したパルマで12得点。21歳だった03~04年ローマ時代の自己最多14得点にあと2点と迫った。好調の理由はダイエットだ。「ブラジルに行くために10キロ減量したんだ。フォカッチャを週1回に我慢してね」。フォカッチャとはイタリア料理のパン。オリーブ油やチーズなどと一緒に毎日食べていた大好物を控えて、イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトによると昨年11月までの約4カ月で体重を90キロから80.5キロまで減らしたという。

 かつては問題行動ばかりで“悪童”と呼ばれ、Rマドリード時代には体重増で“デブ”と批判された。そんな男の必死の努力は、結果に表れた。シーズン前半は6得点だったが、年明け3カ月で5得点とペースアップ。3月16日の古巣ACミラン戦では2ゴールと爆発して、4月のイタリア代表候補合宿でFW12人に名を連ねた。12年欧州選手権以来約2年ぶりの招集を、プランデッリ監督は「クリスマス以降、良いパフォーマンスを維持している」と説明した。

 欧州選手権には3回出場しているが、W杯出場はない。06年大会は当時所属していたRマドリードで結果を出せず、10年大会は他選手との確執が伝えられた。「本当にW杯に行きたい。実現できればオレは世界一ハッピーな男だ」。インテル・ミラノで親友となった長友との「W杯で対戦しよう」という約束を果たすためにも、残り2戦となったリーグ戦で必死のアピールを続ける。

 ◆アントニオ・カッサーノ(Antonio Cassano)1982年7月12日、イタリア生まれの31歳。地元のバリで99年に17歳でプロデビュー。01年ローマ、06年Rマドリード、07年サンプドリア、11年ACミラン、12年インテル・ミラノと移籍。監督や選手と衝突を繰り返し、自伝では「700人と寝た」と奔放な女性関係を告白するなど“悪童”と呼ばれたが、10年に8歳下のカロリーナ夫人との結婚を機に更生。2男に恵まれた。イタリア代表デビューは03年で国際Aマッチは通算35試合10得点。1メートル75、80キロ。利き足は右。

 ▽フォカッチャ ジェノバのあるリグーリア州が発祥とされるイタリア料理のパン。小麦粉、水、酵母、塩などで平たい生地を作り、石窯などで焼く。オリーブ油を付けるほか、チーズ、肉や野菜などをはさむ食べ方も。

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2014年5月6日のニュース