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市船8強 J2京都入り内定の石田から4発!!2冠へ爆発

[ 2014年1月4日 05:30 ]

<市船橋・水戸啓明>前半35分、市船橋・石田(右)はヘッドで2点目を決める

全国高校サッカー選手権 市船橋4―1水戸啓明

(1月3日 フクアリ)
 石田から4発だ。3回戦8試合が各地で行われ、高校総体王者で優勝候補筆頭の市船橋(千葉)が、J2京都入りが内定しているFW石田雅俊(3年)の全得点に絡む活躍で水戸啓明(茨城)に4―1と圧勝した。全国制覇した11年度大会以来2年ぶりとなる国立を懸けて5日、昨年準優勝の京都橘(京都)と激突する。

 絶対エースが覚醒した。前半35分だ。DF山之内が左からクロスを入れると同時に石田は相手DFともつれ合いながら体を投げ出した。執念のヘディングが決まると両拳を握りしめて雄叫びだ。「泥くさくいけた。気持ちで奪った」と大会初ゴールに胸を張った。

 まさにワンマンショーだった。前半14分には左CKからDF柴戸の先制点をアシスト。自身のゴールの後も勢いは止まらない。後半7分には自らの強烈なシュートをGKがはじいたところから、最後はMF成田が試合を決定づける3点目。同14分にはヒールパスでMF室伏のトドメ弾を演出し、全4得点に絡む活躍を見せた。

 2日の2回戦・中津東(大分)戦は徹底マークに不発に終わった。宿舎で朝岡監督から「活躍しろ。何なの、おまえのプレーは」と活を入れられた。同部屋の山之内の前で「点を取りたい」と繰り返すほどストレスがたまっていた。だが、3日は鬱憤(うっぷん)を晴らすべく気迫も動きも違った。相手の出方を見るのではなく「反省を生かして、アップからテンションを上げた」とスタートからトップギアを入れ、一人で試合を決めた。

 豪快なプレーと対照的に石田の素顔は天然だ。山之内は「突然、部屋で歌いだしたりする」とあきれ顔で話す。ヒーローとなったこの日も「家族は両親と姉?」と報道陣に確認されると、「そうです。あとはお父さん」と答えて爆笑を誘った。ミーティング中でも自分の世界に入ってしまう。朝岡監督は「じっと一点を見つめてイメージトレーニングしていることもある」と言い、「小学生がそのまま高校生になった感じ」と苦笑いする。ただ、日々の努力は怠らない。週に1度のオフは自宅隣の公園で2時間の個人練習。「みんなが練習してない時にやって、俺だけうまくなってるぜっていう感じがいいんです」と照れ笑いした。

 元日には全員で近くの神社に初詣に出かけ願掛け。さい銭はチームメートが「一番になりたい」と1円を投げ入れる中で「そんなに少なくていいのかなと思ったので55円にしました。五重のご縁があるって聞いたので」と“奮発”した。高校総体に続く夏冬2冠まで、あと3勝。元日の願いは自らの力でかなえてみせる。

 ◆石田 雅俊(いしだ・まさとし)1995年(平7)5月4日、千葉県習志野市生まれの18歳。中学時代は名古屋グランパスU―15でプレーしたが、同U―18に昇格できず市船橋に進学。昨夏の高校総体で5得点を挙げるなど得点感覚に優れるストライカー。U―18日本代表にも選出され、J2京都入りが内定している。1メートル78、68キロ。利き足は右。

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