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ノリさん前言撤回!U19道上&美南を“飛び級”招集へ

[ 2013年2月12日 06:00 ]

U-19からなでしこジャパンの試合に参加し佐々木監督に評価された道上(左)と田中美が石碑のボールをシュート

 大分市内で行われていた年代別日本女子代表候補の合同合宿は11日に全日程を終了し、佐々木則夫監督(54)がU―19代表候補のFW田中美南(18=日テレ・ベレーザ)とFW道上彩花(18=常盤木学園)のアルガルベ杯(3月6日開幕、ポルトガル)招集を熱望。合宿を通じたパフォーマンスに合格点を与え、想定外だった飛び級招集へ調整する意向を示した。

 合宿最終日になって佐々木監督が前言を撤回した。下部年代のチームづくり優先でU―19、U―16代表候補からのアルガルベ杯招集は繰り返し否定してきたが、打ち上げ直後に態度が一変。「絶対必要ないと思っていたが、伸びている子に経験させるのもU―19に戻っていい経験になる。(U―19代表の)吉田監督と話を詰める」と訴えた。

 その気にさせたのはこの日、なでしこジャパンとチャレンジの選手をミックスして2チームに分けた紅白戦。U―19代表候補で2人だけ特別招集された有望株だった。パスミスを奪って自ら持ち込み、左足でシュートした田中美は速さとリズム感あふれるプレーで存在感を示した。1メートル70で強いフィジカルを誇る道上は2人と競り合ってゴールに迫るなど力強さを発揮。いずれも不発ながら、前日の練習後に「僕の心を揺るがしている」と2人を絶賛していた指揮官は「美南は動きながらのボールコントロールがいい。道上は深さを持ってキープする。2人にはアルガルベに行く力があった」と称えた。

 突然の2トップ引き抜き案にU―19代表の吉田監督は一瞬戸惑いながらも「チャンスをもらえれば本人たちに悪いことではない」と前向き。14年U―20W杯予選を兼ねたU―19アジア女子選手権を10月に控えて“完全移籍”には否定的だったが“レンタル”で経験をU―19に持ち帰ればチームにもプラスになる。

 佐々木監督の発言を知った田中美は「アルガルベに行きたいと思っている」と目を輝かせ、道上も「見ていてくれてうれしい」と笑った。メンバーの登録枠は23人。未来のなでしこ2トップが初のフル代表に近づいた。

 ◆道上 彩花(みちがみ・あやか)1994年(平6)7月27日、和歌山県生まれの18歳。小学2年で徳島県阿南市の今津SCでサッカーを始め、常盤木学園2、3年で全国高校女子選手権連覇。卒業後はINAC神戸に加入する。昨夏のU―20女子W杯では6試合1得点。1メートル70、65キロ。

 ◆田中 美南(たなか・みな)1994年(平6)4月28日、タイ生まれの18歳。タイ人の母を持つ。小学1年で神奈川県川崎市の川崎ウィングスFCでサッカーを始め、日テレ・メニーナから昨年ベレーザに昇格。昨夏のU―20女子W杯では6試合4アシスト。1メートル61、52キロ。

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