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東京V最終戦…五輪代表FW杉本、惜別の号泣弾

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<東京V・鳥取>後半21分、杉本健は右足で決勝ゴール

J2第24節 東京V1―0鳥取

(7月15日 味スタ)
 J2から唯一ロンドン五輪代表に選ばれた東京VのFW杉本健勇(19)が涙の惜別ゴールを決めた。ホーム鳥取戦の後半21分に右足で押し込んで、1―0の勝利に導いた。試合後、東京Vへの期限付き移籍を予定通り17日で満了し、C大阪に戻ることを発表。有終の美を飾った関塚ジャパン最年少のストライカーはその足で代表に合流。羽田発の航空機で英国に向け出発した。

 途切れることのない健勇コール。自らの決勝弾で東京Vを2位に押し上げ、試合後の五輪壮行セレモニーが退団あいさつに切り替わると、杉本健の声は震えていた。

 「正直言うと、今年はヴェルディのJ2優勝という目標のために残留したい気持ちが強かったです。でも…セレッソで頑張ることになりました。僕はこのクラブが…ヴェルディが…大好きです。セレッソに帰っても…応援よろしくお願いします。ありがとうございました」。

 そして、3月28日からの短いながらも濃厚な3カ月半をともに過ごした仲間たちの手で3回宙を舞うと、涙腺は崩壊。両手で顔を覆い、膝に両手をついた。セレモニーに杉本健の41番ユニホームを着て参加していた親友の小林主将とは長い抱擁。誰もが泣いていた。

 東京Vでのラストマッチ。杉本健は前半25分に強烈な左足ボレーを放つなど積極的にシュートを放ち、後半21分ついにゴールを決めた。本来なら出場できないほどの痛みを左膝に抱えながら「健勇のラストマッチだから」と強行出場した森の魂のラストパスを右足で押し込んだ。「ヴェルディに来てから何度も森くんにいいクロス上げてもらったのに決められなかった。最後に決められることができてうれしいです」。関塚ジャパン唯一の得点を挙げた11日のニュージーランド戦から“2戦連発”となる先制ゴール。それを仲間たちが必死に守り、決勝ゴールにしてくれた。

 「五輪では1番上を目指してやりたい。ロンドンでは数字にこだわってやりたいです」。涙の乾いた19歳が言った。大阪発東京経由ロンドン行き。もうサプライズなんて言わせない。

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