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香川 吉田から“魂”託された!「頑張ってくれ!」

[ 2012年6月10日 06:00 ]

ブリスベーン空港で日本サポーターに囲まれる香川真司

W杯アジア地区最終予選グループB 日本-オーストラリア

(6月8日 ブリスベーン)
 8日のヨルダン戦に6―0で大勝した日本代表は9日、W杯ブラジル大会アジア最終予選第3戦アウェー・オーストラリア戦(12日)に備え成田発のチャーター機で開催地ブリスベーンに入った。ヨルダン戦でゴールを決めたMF香川真司(23=ドルトムント)は、負傷でチームを離脱したDF吉田麻也(23=VVVフェンロ)から“魂”を託された。マンチェスターU移籍が決定している背番号10は仲間の無念も背負って戦う。

 ほとんど眠れないまま一夜を過ごし、香川は敵地ブリスベーンに向かうチャーター機に乗りこんだ。ヨルダン戦の激闘を終えたばかりで、興奮していたせいばかりではない。右膝じん帯を損傷し、チーム離脱が決まった吉田から試合後に声をかけられた。「頑張ってくれ!」。その無念が、胸に突き刺さっていた。

 香川は言った。「ああいう形での離脱は選手にとって一番つらいし、悔しいもの」。試合中のアクシデント。そのつらさを誰より知っているのも香川だ。昨年1月のアジア杯準決勝の韓国戦で右足小指を骨折し、戦列を離れた。ピッチに立っているはずだった決勝の相手がオーストラリアだったのも因縁か。その際、ベンチには、香川のユニホームが飾られた。発案したのが吉田だった。

 眠れない夜。宿舎ではオマーン―オーストラリア戦の中継をぼんやり見ていたという。既に対戦したオマーン、ヨルダンという中東勢とは違い、欧州で活躍する選手も多い。それでもブンデスリーガを連覇したドルトムントでエースを担った男にはむしろ好都合だ。「欧州でやってる選手が多いので、やりやすいと思う」と武者震いした。

 夕方には決戦の地ブリスベーン入りした。約9時間のフライトも「時差は(1時間しか)ないので、そんなに気にする必要はない」と言う。既に今夏のマンチェスターU移籍が決定。今や「マンUの香川」として一挙手一投足に注目が集まる身となった。オーストラリア戦でも、徹底マークに遭うことが予想される。むろん、香川には、仲間の無念を晴らすW杯最終予選3連勝しか見えていない。

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2012年6月10日のニュース