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アフリカ選手権で大旋風!151位の赤道ギニアが決勝T進出

[ 2012年1月31日 06:00 ]

セネガル戦の勝利で予選突破が決まり喜ぶ赤道ギニアイレブン

アフリカ選手権A組 赤道ギニア0-1ザンビア

(1月29日)
 アフリカ選手権でガボンと大会を共催している赤道ギニアが1次リーグA組を2位で終えた。29日のザンビア戦こそ0―1で競り負けて初黒星を喫したが、初出場で堂々の8強入り。メンバーの大半を外国出身選手で固める“裏技”で、アフリカの新興国が躍進を遂げた。

 1位突破を懸けた対決でザンビアに惜敗。赤道ギニアを率いるブラジル人のパウロ監督は「ただの1敗。ミスを修正し、楽観的に未来を見なければ」と前向きに訴えた。連勝発進の快進撃に待ったをかけられたが、大会に新たな足跡をしるした一戦でもあった。主力の出場停止などでDFボクングが3戦目で初出場。赤道ギニア生まれの選手として初めてアフリカ選手権のピッチに立った。

 ん?3戦目で地元出身選手が初出場?不思議かもしれないが、これが現実だ。代表23人のうちアフリカ中部の小国で生まれた選手はわずか2人。両親や祖父母など赤道ギニアにルーツを持つ旧宗主国スペインとの二重国籍選手に加え、ブラジルなどからの国籍変更選手が実に21人を占める。

 人口はわずか70万人でFIFAランクは出場国で最も低い151位。早期敗退を予想する声もあったが、オイルマネーを背景に数年前から進めてきた“補強”が実った。

 FIFA規約は当該国にルーツを持たない選手が新たに国籍を取得して代表入りする場合、現地で5年以上の居住を求めるなど厳しい条件を定めている。公式大会で例がない大量の国籍変更選手起用にはザンビアのルナール監督が「FIFAは状況を管理すべき」と漏らすなど規約違反への懸念を含めた疑問の声が上がっているが、優勝オッズ13番人気で3戦全敗も予想されていた中、番狂わせの連続で国民を熱狂させたことは事実。FWボディポは「国民に対して大きなことを成し遂げた」と強調し、MFエドゥホゴも8強入りに「夢を続けたい」と訴えた。

 リビアとの開幕戦は独裁者として知られるヌゲマ大統領の息子のオビアン農相から勝利に100万ドル(約7700万円)、ゴールに2万ドル(約154万円)のボーナスがかけられた。なりふり構わず結果を求める開催国が論争とともにアフリカ大陸に旋風を起こしている。

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