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憲剛“オレ流”司令塔 タジク戦トップ下先発濃厚

[ 2011年10月9日 06:00 ]

ストレッチする中村。“オレ流”司令塔でチームを勝利に導く

 日本代表は1―0で勝利したベトナム戦から一夜明けた8日、神戸市内で軽めの調整を行った。11日のW杯予選タジキスタン戦(長居)では、4―2―3―1のトップ下でMF中村憲剛(30=川崎F)が先発する可能性が高まっている。11日で東日本大震災発生からちょうど7カ月。中村は司令塔として、被災地に勇気を届けるために得点に絡むプレーを誓っている。

【W杯アジア3次予選 メンバー】

 ザックジャパンにとってタジキスタン戦は勝利こそが最大の目標だが、中村はもう一つ自らに大きな使命を課している。それはサッカーで被災地を勇気づけることだ。

 震災発生後、公式戦で得点とアシストを記録するごとに10万円の義援金を送る活動を続けてきたが「自分としては代表戦でも(活動を)続けるつもり」と明かした。9月18日には川崎Fの同僚とともに岩手県陸前高田市を訪問し「テレビで見るのではなくて、実際にその場所に立ってみて感じたことがあった」。

 右膝半月板損傷で離脱している本田を欠くチームにとって経験豊富な中村は救世主になり得る存在だ。ベトナム戦では後半開始から4―2―3―1のトップ下として出場。昨年10月12日の韓国戦以来となる代表のピッチだったが、ザッケローニ監督は「(ペナルティーエリア手前の)バイタルエリアで相手のマークを外してボールを受けるという指示を忠実に実行してくれた」と質の高いプレーを絶賛。李も「パスのスピードやタイミングは他の選手にはないものがある。あんなパサーには出会ったことがない」とラブコールを送る。

 8月下旬からの合宿で10カ月ぶりに代表に復帰し、本田の穴を埋めるべくトップ下で練習を繰り返していた。だが北朝鮮戦(9月2日)の直前に右足親指付け根の亀裂骨折が判明。不完全燃焼でチームを離脱しただけに「今回こそ貢献したい」との決意を抱いている。

 スタメンならザックジャパンでは初先発となるが「自分は(本田)圭佑とはタイプが違う。チームの決めごとを守りながら自分の良さも出せれば。トップ下が点に絡まないと勝てないし、イメージはできている」。ベトナム戦の45分間で確かな手応えをつかんだ様子だ。

 「震災が起きてからサッカーの力を再確認している。気持ちの入ったプレーで勝ち点3を取ることで、被災地に勇気を届けたい」。3月29日に東日本大震災復興支援試合が行われた長居から「サッカーの力」を見せつける。

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2011年10月9日のニュース