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ローマ迷走…公式戦4連敗でラニエリ監督辞任

[ 2011年2月22日 06:00 ]

公式戦4連敗に肩を落とすローマの選手たち

セリエA第26節 ジェノア4-3ローマ

 第26節の8試合が20日に行われ、ローマがアウェーでジェノアに屈辱的な敗北を喫し、公式戦4連敗でクラウディオ・ラニエリ監督(59)が辞任した。後半6分までに3点を先行しながら、守備が崩壊して4失点の逆転負け。クラブ売却交渉が進行する中、8位と調子が上がらない名門の迷走が止まらなくなってきた。

 ローマの悪夢は歓喜の直後から始まった。後半6分にカウンターからトッティが3点目。エースの追加点で勢いづいたかに見えたが、わずか1分後だ。相手FWパラシオにゴール前のこぼれ球を蹴り込まれ、チームがにわかに浮足立った。

 直前までの公式戦3連敗で10失点。自信は失われ、この日は守備的MFデロッシやDFカセッティらの出場停止と守備を束ねるDFファンの発熱欠場が重なった。まとまりを欠いた最終ラインはお粗末な連係でオフサイドを取れずに後半23分に1点差とされ、FWボッリエッロとDFロリアを入れ替えて5バックにしたラニエリ監督の采配も不発。混乱する守備陣はよもやの4失点を喫し、パートナーを欠いたトッティは前線で孤立した。

 試合後は取材に応じなかった指揮官だが、地元通信社に辞意を表明。屈辱的な大逆転負けの末の公式戦4連敗に「このような敗戦の後は決断が必要。チームに刺激を与えられれば」と漏らした。

 経営不振から米国人投資家グループへのクラブ売却交渉が進む中、1月は補強なし。苦しいやり繰りを強いられたが、求心力低下は指揮官自身の責任だ。個性派ぞろいのFW陣を掌握しきれず、1月は起用法に反発したトッティが移籍示唆。FWブチニッチも移籍志願が伝えられ、ボッリエッロは20日の欧州CLシャフタル・ドネツク戦で先発を外されて指揮官に詰め寄った。ガゼッタ・デロ・スポルト紙は「更衣室は弾薬庫」と指摘。不協和音が絶えなかった。

 試合前日はファン200人が練習場で爆竹を投げ込むなど抗議。この日の敗戦後も50人がバスに石や卵を投げつけた。クラブは翌21日に下部組織を率いる元イタリア代表FWのモンテッラ監督昇格を発表した。根強い人気を誇るクラブOBとはいえ、36歳の若手監督で乗り切れるか。CL出場権が懸かる4位ラツィオとは勝ち点9差。これ以上の迷走は許されない。

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2011年2月22日のニュース