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ひらめき布陣不発…日本代表 迷走ドロー

[ 2009年11月15日 06:00 ]

<南アフリカ・日本>本田圭佑(左)を右FWに起用する新システムを試した岡田武史監督だったが、結果はスコアレスドロー

 日本代表は14日、南アフリカ・ポートエリザベスのネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアムで南アフリカ代表と対戦し、0―0の引き分けに終わった。試合前日の13日に合流したばかりのMF中村俊輔(31)を先発メンバーから外した岡田武史監督(53)は新システムの4―3―3を採用したが機能しなかった。W杯本大会での4強入りには、まだまだ試行錯誤が続きそうだ。

【試合結果


 指揮官の本大会に向けた無謀な挑戦は、案の定、結果につながらなかった。合流が遅れた中村を先発から外して採用した新布陣は4―3―3。4バックの前に1ボランチで稲本を配し、中盤の高い位置で右に長谷部、左に遠藤、前線には右から本田、岡崎、大久保を並べた。

 「ああいう形は初めてのトライ。中盤の人数が少なくて、これはチャンスかなと。自分たちのオプションを増やす意味で試した」。指揮官は新布陣に至った経緯をそう説明したが、練習でも試していない“ひらめき布陣”が機能するはずもなかった。立ち上がりこそ優位に攻めたが、前半30分すぎからはチャンスは全くなし。「アウターゾーン(外側)でしか回せなかった。孤立したインナーのところに入れるとボールを取られる。われわれの戦い方ではなかった。今のところはこんなもんかな」。特に右FWに入った本田が孤立する場面が目立った。

 全幅の信頼を置いているMF中村とは試合前日に話し合いを持ち、11日に試合をしたばかりという状況を考慮して「コンディションが整っていない。無理はさせられない」と先発から外した。だが、結果的には中村に頼らざるを得ないチームの体制をあらためて浮き彫りにしただけだった。後半14分には本田、稲本に代えて中村、松井を投入してシステムも変更。長谷部と遠藤をダブルボランチにして、右に中村、左に松井の攻撃的MF、岡崎と大久保の2トップと、これまで練習を積み重ねてきた布陣に戻した。

 「ご覧のように、ダブルボランチに戻した方がボールが動くようになった」。これまで継続してきた布陣の方が、やはりフィットしていた。欧州組が合流できる年内最後の遠征で南アフリカまで乗り込んできたが、判明したのは「このシステムは、メンバーにもよるが、まだベターではない」ということ。貴重なアウェーでの強化の時間はまるで生かされなかった。

 W杯開催国の南アフリカで、会場もW杯スタジアムのネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアム。岡田監督は来年6月の本大会に向けてのシミュレーションとしてこの試合を特に重要視していた。試合前日の会見では「勝って当然という気持ちで戦っていきたい」と必勝を期していたが、終わってみれば、突然の新布陣で“格下相手”にドロー。岡田監督の“迷走”ぶりを見る限り、ベスト4への道のりはまだまだ険しそうだ。

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2009年11月15日のニュース