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大久保復帰弾!志願のPK決めた

[ 2009年6月22日 06:00 ]

<広島・神戸>後半1分、PKを決める大久保嘉人

 ドイツ1部ボルフスブルクから古巣・神戸に復帰した日本代表MF大久保嘉人(27)が21日、アウェーの広島戦に先発出場し、0―2の後半1分にPKで復帰弾を決めた。試合は3―4で敗れたが、エースは後半26分に交代するまで切れのある動きを披露。1年後に迫ったW杯南アフリカ大会に向け、完全復活への第一歩を踏み出した。

【試合結果


 興奮で沸くヴィッセルサポーターに向かって、エースが左手を突き上げた。0―2で折り返した後半開始1分だ。相手のファウルで得たPKの場面で、昨年12月6日以来、197日ぶりに古巣に復帰した大久保が「オレが蹴る」と志願。落ち着いてゴール左へ決めた。昨年10月25日大分戦(ホムスタ)以来となる復帰弾で、チームを勢いづけた。

 「(PKは)負けていたので、よかった。やっていて楽しかった」

 反撃ののろしに続けとばかりに5分にはDF石櫃が右足で同点。21分にもFW茂木が3点目を奪って勝ち越しに成功した。だが、同26分に大久保がベンチへ退くと、途端にチームも意気消沈。39分に再び同点とされ、直後の40分にも失点してまさかの再逆転負けを喫した。あまりにもふがいない内容に、大久保は試合後「あそこで逆転して勝てないと、サッカーじゃない。情けない試合をしてサポーターのみなさんに申し訳ない」と険しい表情で話した。

 レベルアップを求めて移籍したボルフスブルクでは出場機会に恵まれず、リーグ戦はわずか9試合出場で得点なし。徐々に試合勘は薄れ、岡田ジャパンでも欧州移籍後は4試合で無得点と精彩を欠いた。ボルフスブルクはリーグ制覇を果たし、来季の欧州CL出場も決めたが、大久保はレベルの高い環境よりも出場機会を求めて神戸復帰を決断した。すべては、来年のW杯南アフリカ大会のメンバーに入り、そしてエースの座を取り戻すためだった。

 16日の復帰会見では「(出戻りは)恥ずかしくないか?」という厳しい質問も飛んだが「恥ずかしかったら帰って来ない。プライド捨ててやらないと」と言い切った。今は何を言われても構わない。神戸での再スタートを選んだことが間違いでないことを、1年後の南アフリカで証明するだけだ。

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2009年6月22日のニュース