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また雷雨か!反町監督最終確認に水差された

[ 2008年7月30日 06:00 ]

<日本・アルゼンチン>後半38分に試合が中断となり、大雨の中、イレブンを引き揚げさせる反町監督

 北京五輪代表の壮行試合が雷雨に水を差された。29日に本大会前最後の公式戦として国立競技場でアルゼンチン五輪代表と対戦。後半開始頃から激しい雷雨に見舞われ、0―1で迎えた後半39分に前代未聞の打ち切りが決定した。攻守に上々の内容で五輪本番に大きな手応えを得た一方で、パワープレーなどの最終確認ができず反町康治監督(44)にとっては大きな誤算となった。チームは一度、解散して8月1日に再集合。国内合宿を経て4日に中国入りする。

【試合結果


 誰もが予期せぬ結末だった。国立競技場の上空に激しい稲光が走り、爆音が響いた。0―1の後半38分25秒、試合続行は厳しいと判断したシンガポール人の主審が試合の中断を決断し、電光掲示板の時計は83分35を示してストップした。その6分後に打ち切りが決まり、日本の敗戦が決定した。ずぶ濡れになって采配を振った反町監督は「最後は消化不良のゲームになってしまった。最後までやりたかった?そりゃそうだろ」と恨めしそうに空を見上げた。

 06年8月のチーム発足以来、ホームでの黒星は13試合目で初めて。五輪前最後の公式戦で90分間試合をできなかったことは大きな誤算となった。交代は6人まで可能だったが、投入できたのは森本、岡崎、長友の3人だけ。残り10分のパワープレーのチェックや、世界トップクラスの強豪を相手に90分間走り続けられるかどうかの見極めができず指揮官は「サッカーのだいご味は残り10分なのに…」と唇をかんだ。

 後半32分からピッチに立ち、わずか6分間の出場となった長友は「アルゼンチンは外から見てて凄かったけど、短くてよく分からなかった。短すぎる」と苦笑い。本田拓は「1点リードされていたので、前からプレッシャーを掛けようと話をしたが、その矢先に試合が終わった。最後までやりたかった」と振り返った。試合後には出場機会を逃した李、吉田らが居残り練習を敢行。前代未聞の結末の余波は想像以上に大きかった。

 チームは6月の国内合宿や、5月のトゥーロン国際大会期間中の練習を落雷により中断するなど、過去に何度も雷雨の“被害”を受けている。反町監督は「このチームは雷が多いね。試合で試せなかったこともあるが、手の内を見せなかったとプラスにとらえるしかない」と前を向いた。試合後、田嶋専務理事からは「この続きは北京で」と声を掛けられた。40年ぶりのメダル獲得に向けて誤算が生じた形となったが、本大会で“嵐”を巻き起こすためには気持ちを切り替えるしかない。

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2008年7月30日のニュース