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闘莉王が起点!浦和「ワイド攻撃」

[ 2008年3月6日 06:00 ]

紅白戦で前線にパスを出す闘莉王(中央)

 キーワードはワイド・展開・連続――。覇権奪回を目指す浦和は5日、横浜との開幕戦(8日、日産ス)を見据えた紅白戦を実施。DF最多得点まであと5点に迫ったDF田中マルクス闘莉王(26)が持ち味の攻撃参加はもちろん、新戦術のワイド攻撃の起点となって得点を演出した。一方、横浜は闘莉王の攻撃参加を想定した守備練習を開始。開幕戦屈指の好カードの決戦ムードが高まってきた。

 赤い悪魔が、岡田ジャパンとは対照的なダイナミックな光景をみせた。闘莉王がボールを持つと、両サイドが攻め上がる。闘将を起点にレーザービームのごとく正確なロングパスが左右に散る。「サイドにいい選手がいる。皆のいい部分を引き出すのもオレの仕事」と闘莉王。そこに、岡田ジャパンが掲げる「接近・連続・展開」はない。左右ワイドに展開し、その連続だった。

 象徴的だったのが紅白戦の前半44分。闘莉王の右足が左から切れ込む相馬をとらえ、一気にゴールにつなげた。広い視野と抜群のパス精度が可能にしたワイドな攻撃。試合後はオジェック監督と直接会談で戦術を確認した。闘莉王は内容をけむに巻いたが、坪井は「闘莉王が持ったときはサイドに展開しようと。サイドチェンジの意識も去年より徹底している」と話していた。

 今季の闘莉王は、前人未到の記録に挑む。元日本代表の小村徳男が持つDFのリーグ戦最多得点の29点までマジック5。そのために左右にボールを振る起点となり、前線にスペースができれば自らも飛び込んでいく。「フィーリングは合ってきた。後はヘディングの精度を合わすだけ」。DFながら既に「2ケタ得点」も公言している。

 横浜との開幕戦は徹底マークの標的になりそうだが「開幕はずっと楽しみにしてきたよ」と笑顔が絶えない。93年以降、アウェーでのシーズン初戦は未勝利。不吉なジンクスは、闘莉王が吹き飛ばす。

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2008年3月6日のニュース