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入江「あの喜びをもう一度」2大会連続メダルへ闘志

[ 2016年8月7日 07:37 ]

本番プールで調整する入江陵介

 競泳背泳ぎ代表の入江陵介(26=イトマン東進)が5日、五輪水泳競技場で練習し、2大会連続メダル奪取へ意欲を見せた。12年ロンドン五輪では銀2個、銅1個のメダルを獲得。14年アジア大会以降は伸び悩み、15年世界選手権では海外選手の台頭もあり表彰台を逃したが、五輪開幕直前で戦闘態勢に切り替わり、本番での爆発を予告した。

 季節的には冬でも、雲一つない五輪公園にジリジリと日差しが降り注ぐ。出陣2日前の練習を終え選手村行きのバス停に並んだ入江は右手で光を遮っても、なおまぶしそうだ。「ショウガ汁1回も飲んでないですよ。20袋も持ってきたのに」。事前情報では吹き抜けの会場に外気が流れ込み、場内温度は10数度まで下がる見込みだったが、現段階は寒さ対策も無用で、ベストパフォーマンスが出せる好条件だ。

 “やる気スイッチ”のボタンは4年に1度姿を見せる。平井伯昌コーチが「自信を持って大会に臨める状態にようやくなった」と言うように、ここへ来てロンドン五輪銅メダリストの萩野の調子が上がってきたが、同じく個人2種目とリレーで合計3個のメダルを獲得したベテランも輝きを増してきた。「五輪で結果を残す喜びを知っている分、もう一度それをつかみたい欲は4年に1回しかこない」。この時だけ湧き起こる秘めたパワーがメダリストにはあるのだ。

 ロンドンは競泳で合計11個のメダルラッシュ。初日の400メートル個人メドレーで萩野が銅メダルを獲得して波に乗った。「4年前も萩野が最初にメダルを獲ってから、みんな“獲りたい”ってなった。それがチーム。メダル獲ってくれると、“自分も”ってなる」。萩野と瀬戸の対決が金メダル決着となれば、前回の勢いが激しさを増す。

 昨年以降は記録が伸びず、気持ちがぶれた時もあったが、道浦コーチは「集大成っていう形は考えていない。結果が良ければ、東京(五輪)まで行こうという気持ちはあると思う」と大一番にフォーカスする。道浦氏は日本選手団ではないため、往路はジーパン姿で降り立ったが「帰りはちゃんと衣装を持って来た」とメダリストのコーチとして帰国する気満々だ。入江は「あの喜びをもう一度味わいたい」と全身全霊を傾け、リオで戦う。

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