×

山本寛斎氏 リオ五輪開会式に感動!“涙の祝杯”挙げました

[ 2016年8月7日 05:30 ]

開会式の興奮を語る山本寛斎氏

 リオデジャネイロ五輪は5日(日本時間6日午前)、市中心部のマラカナン競技場で開会式が行われた。テーマは「環境保護」。フィールドをスクリーンに見立て、アマゾン熱帯雨林の減少などの映像を投影。入場行進では自転車が各国選手団を先導。機械より人力を駆使し、予算は約3億円と経済的にも「エコ」な式となった。また、世界的ファッションデザイナーの山本寛斎氏(72)が開会式の興奮をスポニチ本紙に語った。

 自宅でテレビ中継を見た寛斎氏。本紙の取材に「感動してお祝い気分になり、涙を流しながら大好きな焼酎で祝杯を挙げました。生きている喜びを感じました」と涙声で最大級の賛辞を贈った。

 デザイナーとしてだけでなく、2005年の愛知万博の開幕イベントや大規模なショーの演出を手掛けるなどプロデューサーとしても活躍。演出家としての観点から、特に印象的な点として、つるされた無数のロープを何人もの演者がさまざまな形に作り上げていく場面を挙げ、「大がかりな見せ物になると近代的なものに頼りがちになるけれど、人の力も参加していてバランスが良かった」と解説した。

 中盤、白い箱を組み合わせて作ったような飛行機が会場外に飛び立った。この場面も「会場内だけでやってはいかんと思っていたので見事でした」と称えた。

 日系移民を表したパフォーマンスでは衣装に注目。腹部に日の丸をモチーフにしたデザインが施されたもので、デザイナーの目から「4年前と変わらないようなデザインの日本選手団のユニホームに比べ、格段に優れていた」と評した。

 不況で運営コストが大幅に削減され、厳しい財政状況の中での開催。「リオのカーニバルをもじったようなものになると想像していたら、見事に裏切られた。予算が限られたことで、かえって人間のあるべき姿が出て、これほど善意の心が出た開会式は初めて。満点です」と高く評価した。

 4年後の東京五輪に向け「豊富な予算や名誉という欲求に陥りがちだけれど、リオはそうではないということを教えてくれた」と指摘。開会式演出のオファーが来ているかという質問には「答えるのが難しい」と明言を避けたが、「これだけのことは一個の才能ではできない。リオから学んだことを咀嚼(そしゃく)し、いろいろな才能が束になって、日本の良さを十分に伝えられる素晴らしいものになればいいと思う」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月7日のニュース