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コンセプトは「もう一つのわが家」 東京湾を望む癒やしの選手村

[ 2013年9月9日 09:25 ]

2020年「東京」五輪決定 

 史上最もコンパクトな夢舞台が、世界一のインパクトを与える。選手村から半径8キロ圏内に33競技会場のうち28会場が収まる計画が、TOKYOの招致実現に一役買った。選手、役員の生活拠点・選手村は、三方を海に囲まれた中央区の晴海埠頭に建設する。「全選手が安心して快適に楽しく生活できる、もう一つのわが家」をコンセプトに、約1057億円の建設工事費を投じる。

 移動で選手の負担が小さいのはもちろん、緊張感が高まる大会期間中に“癒やし”も不可欠だ。宿泊棟から東京湾の景色が堪能でき、敷地に陸上トラックやプール、テニスコートなどを設置。選手専用のバスターミナルに隣接するメーン食堂は5000席を用意し、日本食を含む各国の料理を提供する。3区画の居住ゾーンは、全ての棟からメーン食堂とバスターミナルに徒歩6分以内。最も輸送能力の高い大型エレベーターも導入し、選手のストレスを減らす。

 競技会場は過去と未来の融合だ。64年大会で使用した施設が集まる「ヘリテッジ(遺産)ゾーン」と、臨海部の「東京ベイゾーン」の2群に分かれる。20年で「五輪スタジアム」となるのは国立競技場。64年大会のメーン会場だった「遺産」を継承し、全面改築で現在の約5万4000人から開閉式屋根を備えた8万人収容の全天候型に生まれ変わる。女性建築家、ザハ・ハディド氏のデザインからは、スポーツの躍動感が伝わってくる。

 臨海部には夢の島地区の「五輪水泳センター」をはじめ、新会場が多数建設される。お台場に近い有明地区にはバレーボール会場の「有明アリーナ」が誕生。既存の「有明テニスの森公園」は改修工事、自転車の「有明ベロドローム」と「有明BMXコース」は、「有明体操競技場」とともに仮設で対応する。カヌー・スプリントなどを行う「海の森水上競技場」、セーリングの「若洲五輪マリーナ」も新設され、新名所になった東京ゲートブリッジで結ばれる。

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2013年9月9日のニュース