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相模ゴム 薄さ世界新で選手村コンドーム狙う!

[ 2013年9月9日 06:00 ]

 近年の五輪で注目を集めているのが、選手村で配布されるコンドーム。世界最薄の「0・022ミリ」の商品を製造している相模ゴム工業(本社・神奈川県)は、人類未到の“0・02ミリの壁”を「2020年までに越える」とスポニチ本紙に宣言。「桐生祥秀選手の10秒の壁とどっちが先に破れるか見ててください」と、東京五輪で日本人初の9秒台を狙う怪物ランナーに並ぶ快挙へ気合を入れた。

 「コンドーム作りは日本の“お家芸”。東京五輪は技術を知ってもらう絶好機」と相模ゴムの樋沢洋さん。本紙の取材に「五輪までに、なんとしても0・01ミリ台を実現させる」と意気込む。

 五輪でのコンドーム配布は88年ソウルから始まり、回を重ねるごとに増加。12年ロンドンでは参加者1万500人に対し史上最多15万個が配布されたが、わずか5日で品薄になり話題を呼んだ。

 相模ゴムは98年長野五輪を担当。当時の平均値の約半分という薄さ0・03ミリのポリウレタン製コンドームに「なんて薄さだ!」と外国人が驚がく。配布の2万個がすぐ底をつき「ハイテクコンドーム」と絶賛された。

 担当業者は基本的に、開催国の企業からIOCなどが選定。「うちが選ばれるか分からないが、ぜひ長野の衝撃を再現したい」と力を込める。

 壁は厚い。11年開発の主力製品「サガミオリジナル」(ポリウレタン製、6個入り1050円)は薄さ0・024ミリ。「初めて0・02ミリ台に達した05年当時は0・028ミリでした。4ミクロン薄くするのに6年かかった」。猶予は7年しかない。

 同社の最薄コンドームは薄さ0・022ミリの「サガミオリジナルプレミアム」だが、1個約500円とかなり高価。「価格を下げ、かつ0・01ミリ台に持っていき、破れない品質を保つのは非常に難しい」と樋沢さん。

 ただ“最薄”の反応は上々といい「薄さを追究する方向性は間違ってないと確信した。0・01ミリ台なら使用感はほぼなくなる。これは“革命”になる」と話す。

 輸出先約80カ国の実績から、サイズ差への対応も万全で、実現すればロンドン超えのフィーバーは確実。東京五輪では、日本人歴代最速の9秒台を目前にしている陸上男子100メートルの桐生に注目が集まるが「桐生選手の9秒台が先か、うちの0・01ミリ台が先か。切磋琢磨(せっさたくま)する気持ちで、大台超えを果たす」と樋沢さん。文字通りの“モノづくり”ニッポンの威信を懸けた戦いが始まる。

 ≪オカモトは均等に薄く≫業界主流のラテックス製で薄さ0・03ミリのギネス記録を持つ「オカモト」(本社・東京都)も過去に長野五輪を担当。再びの大舞台を視野に入れる。「ポリウレタンはやや硬いという欠点がある」とし、ラテックス製の品質向上を目指す。「コンドームは工程上、先端が厚くなりがちだが、弊社は均等に薄く仕上げ性感を損なわない技術を磨いている」とアピールした。

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2013年9月9日のニュース