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“アベノ理屈”でブエノスアイレスの歓喜決めた!押しきった

[ 2013年9月9日 06:00 ]

2020年五輪開催地「東京」に決定

 東京開催決定は、安倍晋三首相が東京電力福島第1原発の汚染水漏れに関し、具体的数字を挙げて安全性を強調した“アベノ理屈”が決め手になった。

 首相は最終プレゼンテーションで、汚染水問題に関し「決して東京にダメージを与えない」と述べるにとどめた。このため、質疑でIOC委員から科学的根拠を問われ「影響は原発の港湾内の0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」ときっぱり。

 さらに「数値は最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインの500分の1。食品や水の安全基準は世界で最も厳しく、食品や水からの被ばく線量は日本のどの地域でも基準の100分の1」とし、健康問題には「現在も将来も問題ない。解決に向けたプログラムを決定し、既に着手した」と言い切った。説得に手応えを感じたようで、プレゼンテーション後、記者団に「不安は払しょくできた」と自信を見せた。それもそのはず。他の登壇者が話している最中にもブツブツと練習する姿が見られ、招致決定後は「最終プレゼンは注目されていたので、相当気合を入れて練習した」と明かした。

 開催決定を受けた“勝利会見”では「15年続いたデフレや縮み志向の経済を、五輪開催を起爆剤として払しょくしていきたい」と表明。NHK番組などでは、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に絡め「“第4の矢”の効果はある」と強調。しかし汚染水処理は後手に回っているのが実態だ。政府は3日、汚染水漏えいに対処するための基本方針を公表し、国費の投入を決めたが、IOC総会に間に合わせるため急いだとの印象は否めない。

 対策の多くは実現が数年先の見通しで、第1原発の敷地からは今も汚染水が海に流れ出ている。首相は五輪に影響を及ぼさないと国際社会に公約した格好だが、対処を誤れば政権運営に打撃となる。

 ▼下村博文文部科学相 スポーツ庁の創設に重ねて意欲を表明。「我が国の中でスポーツの意義付けをはっきりさせるきっかけにしたい」。

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2013年9月9日のニュース