【高松宮記念】ナムラクレア 充実4歳春に悲願へ加速!坂路ラスト1F12秒1

[ 2023年3月23日 05:30 ]

坂路で追い切るナムラクレア(撮影・亀井直樹)
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 充実ぶりが光る!「第53回高松宮記念」の最終追いが22日、東西トレセンで行われ、栗東ではシルクロードSを快勝したナムラクレアが力強い動き。3週連続のCWコース追いを経て、最終追いは坂路で心身を整えるべくサラッと済ませた。前哨戦Vの勢いに乗って本番へ。昨秋のスプリンターズSで手にできなかったG1獲りに挑む。同レースは23日に出走馬が確定、24日に枠順が発表される。

 走る気持ちを高めて大一番に向かう。ナムラクレアは開門直後の坂路で最終追い。力強い脚さばきで加速ラップを刻み、反応良く駆け上がった。4F53秒3(1F12秒1)はこの馬にすれば味付け程度。普段から稽古をつけている長谷川師は「今朝は気持ちと体の動きを確認するぐらいの感じ。先週のハードワークもしっかりこなしてくれましたし、非常に良かったですよ」と好感触を伝えた。

 昨年までの坂路主体の調教を変え、今年に入ってCWコースの追い切りを取り入れた。この中間も先週まで3週連続でコース追い。先週は浜中騎乗で6F79秒8~1F11秒5の猛時計を刻んだ。昨年スプリンターズS5着後に浜中や厩舎スタッフを交えて「フォームの改善や集中力を含め、もう一段階良くなるように」と話し合った成果が徐々に表れ、年明け初戦のシルクロードSで頭差V。馬自身の成長も重なり「もともと瞬発力に秀でていたんですが、より背中とトモの連動性が出てきたというか、前肢にかかる負担も減り、全体的に完成してきた」と感じている。あとは競馬に向けて心身を整えるだけ。最終追いの意図を「心身ともフレッシュな状態で行きたいし、オーバーワークにならないように。その意味で坂路の方がイメージしやすい。それは前走と同じ」と説明。態勢は万全だ。

 一昨年の小倉2歳S(1着)からコンビを組む浜中も同舞台の前走を勝ち、自信を深めている。「今まではゴール前で(伸びが)甘くなることがあったけど、最後まで加速して勝ってくれたことが凄く良かった」。気性が成長し、道中で我慢できるようになったことで最後の伸びにつながり、接戦を勝ち切った。「4歳になって充実しているし、調教の動きも前走時よりいい。G1を勝つだけの能力は備わっていると思うので、あとは少し運があれば」と手応え十分。昨秋に逃したG1獲りへ、機は熟した。

 《疋田厩務員&長谷川師、中村均イズム胸に勝つ》ナムラクレアを担当する疋田真志厩務員(48)と長谷川師はともに中村均厩舎(19年2月末に解散)のスタッフだった。長谷川師は03年に同厩舎所属で騎手デビュー。疋田厩務員は「縁と言えば縁ですね。僕が担当していた馬はほとんど浩大(長谷川師)が乗っていましたね。みんなの前では先生って言っていますよ」と笑みを浮かべた。長谷川師、そして自身にとっての恩師である中村元調教師の言葉で胸に刻まれているのは「G1を勝つには100%の仕上げじゃ無理。120%じゃないと勝てない。みんなの上を行かないと」だという。中村厩舎で、かつてマイネルセレクト(04年JBCスプリント勝ち)を担当した疋田厩務員。「ひとつ壁を越えられたかな」と成長したナムラクレアの姿に目を細めた。

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2023年3月23日のニュース