【オールカマー】ジェラルディーナ 重賞初制覇、名牝ジェンティルドンナ娘が…ついに良血開花

[ 2022年9月26日 05:20 ]

<中山11R・オールカマー>重賞初Vを飾ったジェラルディーナ(左)の鞍上で横山武は拳を突き上げる(撮影・西川祐介)
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 東西G2で良血開花!「第68回オールカマー」は25日、中山競馬場で行われ、名牝ジェンティルドンナの娘ジェラルディーナが横山武史(23)を背に2枠2番からスムーズな立ち回りで最後の伸びにつなげ、初タイトルをものにした。中京の菊花賞トライアル「第70回神戸新聞杯」は鮫島克駿(25)騎乗のディープインパクト産駒ジャスティンパレスが3馬身半差の圧勝。管理する杉山晴紀師(40)は前週のセントライト記念(ガイアフォース)に続く2週連続トライアルVとなった。ヤマニンゼスト、ボルドグフーシュを合わせた上位3頭が菊花賞(10月23日、阪神)の優先出走権をつかんだ。

 初めての中山の急坂に血が騒ぐ。馬群の内を抜けてきたジェラルディーナの脚は止まらない。黒い帽子に赤十字襷(たすき)の勝負服。引退レースにして初の中山参戦で14年有馬記念を制した母ジェンティルドンナの姿が重なる。3冠牝馬の次女も強かった。

 力強いガッツポーズで喜びを表現した横山武が「理想の位置」と振り返った道中は5番手追走。内&先行有利の馬場コンディション。絶好の枠、差し届かずの近走を踏まえ、「前走乗っていた(福永)祐一さんに癖や特徴を聞き、どんな競馬がいいか考え抜いた」結果が先行策だった。

 気性難が出世を阻んできたが、馬群の内でぴたりと折り合った。「テンションの高さを心配したが大丈夫。スタートを切れば優等生だった」(横山武)。直線は逃げたバビット、ウインキートスのわずかな隙間を突き、一瞬で抜け出した。横山武はオールカマー連覇。昨年のウインマリリンに続く“イン強襲”。23歳にして職人技の域に達している。

 3歳での牝馬3冠達成から4、5歳と進化を続け、3年連続でG1を制した偉大な母から受け継いだ成長力。斉藤崇師は「今日は以前に比べ、パドックでもおとなしくていい感じだった。どこかでタイトルをと思っていた馬。この勝利が次のG1へとつながっていくと思う」と夢を膨らませる。天皇賞・秋(10月30日、東京)の優先出走権を得たが全5勝を右回りで挙げてきた。馬主・サンデーレーシングの吉田俊介代表は「無事ならエリザベス女王杯(11月13日、阪神)に向かうことになると思います」と見通しを明かした。2歳時の阪神JF(7着)以来のG1挑戦は、意外にも母が未出走だった一戦が有力。8頭の重賞勝ち馬を蹴散らした令嬢が女王になる日は近い。

 ◇ジェラルディーナ 父モーリス 母ジェンティルドンナ(母の父ディープインパクト)18年5月12日生まれ 牝4歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績15戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億6518万7000円 馬名の由来は女性名より。

 【オールカマー・アラカルト】

 ☆騎手&調教師 横山武は昨年(ウインマリリン)に続き、2年連続の勝利。JRA重賞は今年2勝目、通算12勝目。斉藤崇師のJRA重賞勝利は昨年のホープフルS(キラーアビリティ)以来で通算12勝目。

 ☆種牡馬 モーリス産駒は札幌記念(ジャックドール)に続いて今年JRA重賞5勝目、通算9勝目。

 ☆所属 関西馬の勝利は20年センテリュオ以来で通算は関西馬12勝、関東馬54勝、地方馬2勝。

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2022年9月26日のニュース