【神戸新聞杯】ジャスティンパレス重賞初V、ラスト1冠グイッ　杉山晴厩舎は2週連続トライアル制覇

＜中京11R・神戸新聞杯＞力強く抜け出し快勝したジャスティンパレス（右端）が重賞初制覇（撮影・亀井　直樹）　
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　中京競馬場で25日行われた菊花賞トライアル「第70回神戸新聞杯」は鮫島克駿（25）騎乗のディープインパクト産駒ジャスティンパレスが3馬身半差の圧勝。管理する杉山晴紀師（40）は前週のセントライト記念（ガイアフォース）に続く2週連続トライアルVとなった。ヤマニンゼスト、ボルドグフーシュを合わせた上位3頭が菊花賞（10月23日、阪神）の優先出走権をつかんだ。

　ダービーで戦ったメンバーも条件戦を勝ち上がった新興勢力も、みんなまとめてねじ伏せた。5番人気ジャスティンパレスが3馬身半差の完勝だ。漆黒の馬体を弾ませ、悠々と重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。

　鮫島駿のリードが光った。3週続けて追い切りにまたがり、1週前のゲート練習にも騎乗。初コンビの相棒を手の内に入れた。前日からの競馬を踏まえ「明らかに内を通った先行馬が有利」と読み切った。4枠7番からスタートを決め、迷わず内ラチ沿いへ。道中5番手で折り合い、仕掛けるタイミングをうかがった。勝負どころでスルスルと進出。直線、右ステッキで鼓舞すると、あっという間に後続との差を広げた。「道中は逃げ馬の後ろから。狙った位置が取れました。直線、抜け出す時がいい加速力で最後も余力があったし、強い内容でした」。休み明けの力走を称えた。

　米G1・2勝パレスマリスの半弟にあたるディープインパクト産駒。20年セレクトセールで1億9000万円（税抜き）の値がついた逸材だ。期待されながらも皐月賞、ダービーで続けて9着と春2冠は結果を出せず。だからこそ秋に懸ける陣営の思いは強い。ダービー後の放牧で春と体重は変わらなくても体の厚みが増し、精神面もひと皮むけて帰厩。中山で勝利を見届けた杉山晴師は「ゲートに難はあるけど1歩目をうまく出してくれて、ある程度、前で競馬をするというジョッキーの強い意志を感じました」と称えた上で「以前はステッキを使うと、ふらついていたけど今日は真っすぐ走れたし、夏を越しての成長を感じました」と春との違いを強調した。

　杉山晴厩舎は前週セントライト記念のガイアフォースに続き、2週連続で菊花賞トライアル制覇。僚馬がつくったいい流れに乗り、チャンスをものにした。トレーナーは「オーナーと相談してからだけど菊花賞は視野に入ると思います」と前向き。鞍上も「継続して乗せていただけるなら全力で頑張りたいです」と目を輝かせた。一丸となってラスト1冠に向かっていく。

　◇ジャスティンパレス　父ディープインパクト、母パレスルーマー（母の父ロイヤルアンセム）19年4月12日生まれ　牡3歳　栗東・杉山晴厩舎所属　馬主・三木正浩氏　生産者・北海道安平町のノーザンファーム　戦績6戦3勝（重賞初勝利）　総獲得賞金1億72万3000円。馬名は冠名＋母名の一部。