【JBC2021は11月3日開催】JBCスプリント優勝馬サブノジュニア輩出の藤沢牧場の想い

[ 2021年10月30日 11:00 ]

藤沢牧場の藤沢亮輔常務
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 ダート競馬ファン注目のJBCは11月3日、金沢競馬場と門別競馬場で行われる。

 「ダート競馬の祭典」JBCへ向け、20年のNARグランプリ年度代表馬サブノジュニアの生産者、藤沢牧場の藤沢亮輔常務(36)に話を聞いた。 藤沢常務は昨年、サブノジュニアが大井生え抜き馬としてJBCスプリントで初制覇を果たしたレースを現地で見届けた。「生産馬が大きなレースで勝ったことは凄くうれしかったし、この仕事をしていてよかったなと思える瞬間でした」と話した。

 1歳秋まで育てたことを振り返り「特別に動きがいいわけではなかったが、病気をすることもなく、健康でした。うるさい素振りも見せないし、父サウスヴィグラスの子っぽく身長が低いが幅もあり、良い馬だなという印象でした」と語る。実は「どちらかといえば(兄の)サブノクロヒョウが気性もうるさく、思い入れがありました」と明かしたが、サブノジュニアがG1馬となったことに「パドックでは良く見せなかったが、重圧を感じないことが彼のいいところ。凄いと思います」と喜びを隠せなかった。

 家業は北海道日高郡新ひだか町での牧場経営だが「スタッフさんがいたので、僕は子どもの頃から手伝いをしていたわけではないです」と言う。大学卒業後は2年間、都内でサラリーマン生活をしていたが「満員電車での通勤はしんどかった」。2010年、25歳で帰郷し、牧場で働き始めた。

 「馬の仕事をやっていくうちに奥深さと楽しみを感じるようになりました」。50年を超える歴史を持ち、繁殖牝馬20頭を管理。馬の育成もする名門の3代目として実力を発揮する中で、若者世代らしく、ツイッターや動画チャンネルなど積極的なSNS活用で魅力を伝えている。

 「若い馬主さんが増えて、SNSで何気ない馬のウオーキングシーンや走る姿を見て問い合わせが来ることが増えています。もちろん昔ながらの対応もしますが、新規の馬主さんとつながるために情報発信をしています」と話す。

 そして「大きなレースを勝てば生産者の名前が出て励みになります」というだけに、11月3日に金沢競馬場で行われるJBCスプリントで連覇となれば、大きなプラス材料となる。

 「金沢の1400メートルは脚質的にはかなり厳しいが、頑張ってほしい」と期待を込め、JBCなど中央と地方の交流レースについては「もっと知名度が上がれば、もっとみんなの見方も変わる。生産者にとっては中央でも地方でも活躍して1勝するということはうれしいし、こだわりもないが、もっと騒がれるためにもサブノジュニアにも本当に頑張ってほしい」と続けた。

 「僕らのメインの仕事は馬を売ること。今年の夏からオンラインビットも始まったので、よりアピールできるものがあればいい。自宅にいながらリアルに馬を感じてもらえたら」と今後を見据えた。そして「ファンの方が身近になったと感じています。輪をもっと広げて、僕ら生産者がどういう思いで育てたかとか、どんな気持ちでレースを見ているかなどを発信していく。ワイワイ盛り上がって応援していきたい」と競馬界のさらなる発展を願った。

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