【京成杯AH】カテドラル 悲願の重賞初V、テン乗り戸崎が技ありエスコート

[ 2021年9月13日 05:30 ]

<中山11R京成杯AH>戸崎の手綱に応え差し切ったカテドラル(中央)左は2着のコントラチェック(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 「第66回京成杯AH」は12日、中山で行われ、7番人気カテドラル(牡5=池添学)が重賞初制覇を飾った。

 同じ勝負服がほぼ同時にゴールに飛び込んだ。逃げたコントラチェックか、直線一気カテドラルか。キャロットファーム所有馬同士の首差の大接戦を制したのは戸崎駆るカテドラル。鞍上は戻ってくるなり、「すみません」と池添学師に頭を下げた。

 理由は直線の攻防。絶好の手応えで直線を向いた人馬は行き場を失った。「今の中山は内有利、前残りの馬場。正直、後ろから行く馬だからどうかと思っていた。内枠だったので内をさばいていこうと決めていた」と勇気を持って馬群に潜り込む。しかし、残り200メートルを切っても前が壁。「手応えはあったが、進路を探すのが大変だった。馬がうまくさばいてくれた」。四方を確認しながらの冷静なエスコート。前が開くと得意の剛脚でぐんぐんと加速した。首差とらえたところがゴールだった。重賞初勝利という結果について聞かれると、「勝ち切れていなかった馬。勝ててよかった」とようやく笑顔を見せた。

 一方、池添学師は「凄く上手に乗ってもらった。“スタートだけ気をつけてください”とは伝えていたが、道中もうまく折り合っていた。直線で進路を探しながらになったけど、よく届いてくれた」と初コンビの鞍上を絶賛。かねて気性面が課題で、重賞2着4回とあと一歩タイトルに手が届かなかったカテドラル。5歳の秋を迎え、本格化を証明するVとなった。「年を重ねたからか普段から落ち着いていて、パドックでもリラックスして歩けるように。能力を発揮できるようになった」と愛馬の成長に目を細める。次走は未定も「ようやく重賞を勝てたので、大きな舞台で頑張ってほしい」。近く訪れる4度目のG1舞台は重賞ウイナーとして胸を張って挑むことになる。

 ◆カテドラル 父ハーツクライ 母アビラ(母の父ロックオブジブラルタル)16年2月9日生まれ 牡5歳 栗東・池添学厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績19戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億8240万7000円 馬名の由来はスペインのアビラにある大聖堂。

 【京成杯AHアラカルト】

 ☆騎手&調教師 戸崎は13年エクセラントカーヴ以来、同レース2勝目。JRA重賞は今年の七夕賞(トーラスジェミニ)以来で今年4勝目、通算60勝目。池添学師のJRA重賞Vは今年のスプリングS(ヴィクティファルス)以来で通算5勝目。

 ☆種牡馬 ハーツクライ産駒のJRA重賞Vは今年のエルムS(スワーヴアラミス)以来で今年7勝目、通算69勝目。

続きを表示

この記事のフォト

2021年9月13日のニュース