【函館新馬戦】テイエムケントオー 静内農高の夢乗せ“健やかに”出陣

[ 2021年8月6日 05:30 ]

函館でデビュー戦に臨むテイエムケントオー(撮影・千葉 茂)
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 北海道・静内農高の生徒が生産し、昨年の北海道サマーセールで同校史上最高の2750万円(税込み)で落札されたテイエムケントオー(牡2=五十嵐、父マクフィ)が7日の函館5R新馬(芝1200メートル)に出走する。先月17日に函館入り後も入念に乗り込まれて万全の態勢。持ち前のスタートセンスとスピードで初陣を飾る構えだ。

 健やかに育って夢を叶(かな)えてほしい。そんな願いから静内農高の生徒が2年前につけた幼名は「健叶(けんと)」。その名の通り、440キロ前後の健康な馬体に成長した鹿毛馬に担当の五十嵐助手がブラシをかける。「高校生の夢を叶えたいですね。コロナ禍のこんな時代だから少しでも元気づけられるような走りをしてもらいたい」

 「背中もフットワークもいいですね」。コンビを組む坂井が五十嵐助手にこんな感想を伝えたのは追い切り騎乗の直後。「手先が軽いから芝は合うと思うし、ゲートの速さは抜群。芝の1200メートル戦でセールスポイントを生かしたい」と同助手は手応えを膨らませる。「馬は撫で柄」という。育て方次第で性格の良しあしが決まるとの意味。ケントオーは静内農高の生徒や教職員にたっぷり愛情を注がれたのだろう。「気がいい馬で前向きな気性。従順でコントロールも利きます」。静内農高の生産馬が勝てばゴーゴーヒュウガ(11~12年で函館で2勝)以来9年ぶりとなる。「同じ函館で初陣を飾れたらいいですね」。同助手は健やかに育った「健叶」に頼もしげな視線を向けた。

 《競走馬生産担当教諭、関係者に感謝》静内農高で競走馬を生産する生産科学科・馬コースの小林忍教諭(32)も、デビューを心待ちにしている。「学校の生産馬がデビューできるというだけでうれしいし、ありがたい。ここまで育ててくれた牧場と厩舎の関係者に感謝の気持ちでいっぱいです」と感慨深げ。竹園オーナーの「できるだけ生徒に近い場所で」という配慮から北海道での初陣が決定。「コロナの影響で現地には行けませんが、当日は学校で生徒たちとテレビで応援したい」と話した。同高生産馬は今年の北海道サマーセール(23日~)にも父マクフィ、母ナリタトップスターの牡馬を上場予定だ。

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2021年8月6日のニュース