【ラジオNIKKEI賞】タイソウが主役に躍り出る!重賞初制覇へ

[ 2021年6月30日 05:30 ]

タイソウ
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 2月の地震で被災した福島競馬場が約3カ月遅れで今年の初開催を迎える。復旧工事中のため無観客ながら熱戦が繰り広げられる3週間。開幕週の日曜メイン、恒例の3歳ハンデ重賞「第70回ラジオNIKKEI賞」は夏以降、飛躍を期すメンバーがそろう。年明け重賞2戦の敗戦をバネにし、タイソウが軌道に乗った。暑い時季が合っているのか、さらに体が動く状態。初タイトル奪取へ、陣営の準備に抜かりはない。

 ラジオ体操、始め!栗東は夏本番を思わせる暑さ。よし、準備運動は終了した。500キロを超す巨漢タイソウが今週末の福島遠征にピッタリ照準を合わせている。休養明けだった前々走のプリンシパルSは14頭立て9番人気で3着に激走すると前走メルボルンTは逃げ切り勝ち。デビュー戦以来、5カ月ぶりの勝利を飾った。西園師は「暖かくなって体調がグッと良くなった。この季節は合うのかな」と笑みを浮かべる。

 もともと期待の大きかった逸材。デビュー前、追い切りの動きを見た指揮官は「サダムパテックの再来」と、かつて自身が管理していた12年マイルCS覇者を引き合いに出し、高く評価していた。昨年暮れの新馬戦は圧勝。幸先のいいスタートを切った。しかし、その後は京成杯6着、共同通信杯12着と2戦続けて惨敗で評価はガタ落ち。「当時はまだ体が幼く、タイトなローテで疲れもあった」と振り返る。それでも素質は確か。焦る必要はない。陣営は成長を促すべく、2カ月間の放牧へ。帰厩後、体重が増え、休養前とは見違えるほど立派な体つき。即、結果につながった。

 「体に身が入って、ずいぶん成長した。プリンシパルSは勝ち馬(バジオウ)と枠が逆なら着順も違ったと思うし、前走ぐらいはやれて当たり前。デビュー前から言っているように、タイソウにはサダムパテックと同じにおいを感じる。走ってもらわないと困るよ」

 1週前追い切りはCWコースでショウナンラタン(2歳新馬)と併せ馬。前半ゆったりした入りから6F83秒8~1F11秒9とシャープに伸びて半馬身先着した。状態はさらに上向き。西園師は「仕上がりは言うことなし。ラジオ体操(タイソウ)第一で勝ちますよ」とジョークで笑いを誘った。以前とは完成度が違う。開幕週の小回りで持ち味の先行力をフルに生かし、先頭でゴールを駆け抜ける。

 【タイソウの中辻明オーナー 馬名はシンプル】タイソウを所有する中辻明オーナーは16年高松宮記念を制したビッグアーサー(現種牡馬)を筆頭に、現役は23頭(29日現在)、中央抹消馬57頭を所有した有力馬主だ。冠名を使わず、馬名はとにかくシンプル。タイソウは、はなはだしいさまを意味する「大層」が由来だ。計80頭中、9文字馬はわずか4頭。5文字馬が22頭でトップ、4文字馬が19頭で、これらで過半数を占める。2文字馬も2頭(ドキ、イダ)いる。

 ▼ラジオ体操 日本放送協会(NHK)により1928年(昭3)11月スタート。休止と再開を繰り返した後、51年5月6日、現在の「ラジオ体操第1」(3代目)を放送開始。53年に「夏期巡回ラジオ体操会」が始まり、日本中に定着。学童が夏休み中、早朝に公園などに集まり、出席カードにスタンプを押してもらう風景も懐かしい。ディスコ・バージョン、各地の方言バージョンなども存在する。

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2021年6月30日のニュース