【ヴィクトリアM】道悪もこなせるデゼル 2頭出し友道厩舎は雨なら勝機倍

[ 2021年5月14日 05:30 ]

厩舎周りで運動するデゼル
Photo By 提供写真

 【G1ドキュメント・栗東=13日】雨上がりの早朝5時。濡れた自転車のサドルを雑巾で拭きながら、オサムは週末の天候に思いを巡らせた。木曜の東京は雨。金曜、土曜と回復するが、ヴィクトリアMが行われる日曜は再び雨予報。どれだけ降るか、天のみぞ知るだ。オサムが本命候補に挙げるデゼルは道悪未経験。切れ味が身上だけに不安が募る。

 が、そんな心配はリーディングトレーナーが即座に打ち消してくれた。完璧な仕上げを施した友道師の表情には自信しかない。
 「雨?重いウッドチップコースでも時計が出るし動くから、力の要る馬場でもこなしてくれると思うよ」

 全く意に介さない。ここで思い出されるのが今年の大阪杯だ。道悪未経験、小柄な牝馬のレイパパレに雨馬場を危惧する声は多かった。結果はご覧の通り。道悪はパワーでごり押しするのではなく、軽い脚さばきで難なくこなしてしまう牝馬もいるのだ。

 特にデゼルの場合、欧州血統(母は仏G12勝)だけに時計が掛かる馬場はむしろプラス。晴雨兼用だ。2頭使いの友道厩舎はもう1頭のランブリングアレーが不良馬場の中山牝馬Sで初重賞勝ち。雨なら、厩舎の勝機は倍に膨らむ。

 グランアレグリアを倒すのは至難。が、厩舎の勢いをもってすれば逆転も夢ではない。先週の京都新聞杯で天皇賞・春に続く2週連続重賞V。リーディングトレーナー争いの首位に躍り出たタイミングで迎えるヴィクトリアM。“鬼退治”にいざ出陣だ。 

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2021年5月14日のニュース