【NHKマイルC】シュネルマイスター 千六マイスターの道、最少タイ4戦目戴冠だ

[ 2021年5月3日 05:30 ]

ベストのマイルでG1獲りを狙うシュネルマイスター
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 東京競馬場5週連続G1の幕が開く。第1弾は3歳マイル王を決める「第26回NHKマイルC」(9日)。朝日杯の覇者グレナディアガーズが今年初戦を落としたことで一気に混戦ムードに。優先出走権を獲得した皐月賞をパスしてマイルに照準を定めたシュネルマイスター(牡=手塚)が、当レース史上最少キャリアタイとなる4戦目での戴冠を狙う。

 陣営を悩ませた弥生賞ディープインパクト記念2着。マイルかクラシックか。熟考の末に出した決断の理由を手塚師は明かした。「前走を見て2000メートルもこなせるけどパフォーマンスは落ちる気がした。首が高めの走り。現状はマイルの方が競馬がしやすいはず」。父キングマンは英国の最強マイラー。シュネルマイスター自身にとって最適の距離を選んだ。

 弥生賞で初黒星を喫したとはいえ、1500&1600メートルでは2戦2勝。得意の条件では全く底を見せていない。「課題のゲートも解消した。2走前のひいらぎ賞の時は暴れたが、それ以降は特に問題ない。ジョッキー(ルメール)もマイルの方が安心して乗れると言っているし楽しみ」。指揮官の言葉に自然と熱がこもる。

 皐月賞を見送ったことでレース間隔に余裕が生まれた。中間はノーザンファーム天栄へ放牧。先月16日に帰厩して入念に乗り込んでいる。同28日の1週前追い切り(Wコース)では強めに追われて5F63秒5~1F12秒6の猛時計をマーク。大きく先行したムスコローソ(6歳3勝クラス)、フジノタカネ(5歳2勝クラス)に難なく2馬身先着した。

 「G1に向けていい追い切りになった。体重は変わらないが体は引き締まったように見える。促せば促すだけ動く馬だが掛かるわけじゃない。高速馬場への対応がどうかだが、調教の動きを見る限りは対応できそう」と師。クラシック制覇の夢を胸の奥にしまい、万全を期して獲りにきたタイトル。負けるわけにはいかない。レース史上最少キャリアタイ4戦目での戴冠は、未来に続くマイル王への道のスタートラインにすぎない。

 ▽NHKマイルC 53年創設のダービーTR「NHK杯」が前身。3歳馬の短距離路線の充実や、当時クラシック出走不可だった外国産馬の目標として、96年に2000メートルから距離短縮。3歳マイル王を決するG1として新設された。

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2021年5月3日のニュース