藤沢和師 来年2月定年、クラシック戦えないけど2歳4頭来た!今秋米G1制覇へ“最後の挑戦”

[ 2021年2月12日 05:30 ]

藤沢和厩舎に入厩した2歳馬の(左から)バーマン、リチュアル、フィフティシェビー(撮影・西川祐介)
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 来年2月で定年引退する藤沢和雄師(69)が手掛ける最後の2歳世代4頭が11日、美浦トレセンに入厩した。中でもフィフティシェビー、ポイズンアロウの米国産2頭は藤沢流調教で今秋の米G1を目指す構え。70歳定年まで残り1年余り。レジェンドトレーナーの元に集った最終世代に注目だ。

 みずみずしい張りをたたえた4頭の2歳馬が列をなして近づいてくる。美浦トレセン入厩検疫所から「北の杜地区」厩舎棟まで約2キロの馬道を元気のいい歩様で移動した。88年開業から34世代にも及んだ藤沢和厩舎の2歳馬。その最終世代が3月の声を聞いて入厩する他厩舎に先駆けてトレセン入り。「(70歳定年を迎える)来年2月までしか預かれないが、それまでしっかり調教して、いい状態で別の厩舎に託したい」。出迎えた藤沢和師は語った。

 入厩一番乗りを果たした2歳馬4頭は全て牡馬。米ブリーダーズCディスタフを制したストップチャージングマリアを母に持つフィフティシェビーは昨年の米セプテンバー1歳セールで82万5000ドル(約8700万円)。BCクラシック、ドバイワールドCを制したアロゲートの初年度産駒ポイズンアロウは同75万ドル(約7900万円)の高値がついた良血だ。「もしコロナが収束すれば、どちらも米国に行きたいと思わせるほどの馬。3月ごろには調教が進んでいるノーザンファームの馬も入ってくる。後れを取らないように進めたい」と師は評価する。

 3歳春を待たず転厩となるにもかかわらず預託を引き受けた2歳馬は15頭前後を数える。この米国産の良血2頭を所有する長谷川祐司オーナーの代理人、竹内啓安レーシングマネジャーは「若馬のしつけにかけて藤沢先生の手腕はズバぬけています。競走馬としての基礎をお願いしたいです」と語った上でこう続けた。「この米国産馬2頭は藤沢先生に今秋のBCジュベナイル(11月5日、デルマー競馬場)を狙っていただくために購入しました」

 オーナーの熱い期待を背負った同師。「まずは1カ月、自分の手で調教してから先を考えたい。そのために2月に入厩させた」とトレセン一番乗りの理由を明かした。「これから入ってくる2歳馬も含め、私がいるうちにデビューできるのか、あるいは、やめた後のデビューになるのか判断していきたい。もちろん、体力が備われば6月の新馬からいきますよ」。米G1も視野に入れたレジェンドトレーナー、最後の挑戦が始まる。

 《蛯名が重賞ラスト騎乗》18年青葉賞を制したゴーフォザサミット(牡6=藤沢和)が蛯名正義(51)騎乗で中山記念(28日)に出走する。藤沢和師が明らかにした。この日を最後に引退、調教師に転身する蛯名にとって最後の重賞騎乗となる。

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