JDDを勝った坂井、トップジョッキーへの期待

[ 2020年7月10日 05:30 ]

19年、筆者とともにサンダウンパーク競馬場を訪れた坂井瑠星(撮影・平松さとし)
Photo By 提供写真

 【競馬人生劇場・平松さとし】8日、大井競馬場で行われたジャパンダートダービー(G1)をダノンファラオ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝した。

 6番人気で単勝4060円の同馬を見事、重賞初制覇に導いたのは矢作調教師の愛弟子、坂井瑠星騎手だ。デビュー5年目、現在23歳と若い彼だが、父親は元大井の名騎手の坂井英光調教師。デビュー2、3年目には師匠の勧めもあってオーストラリアに長期滞在し、現地のレースに参戦。他にもドバイや香港などに矢作厩舎の馬が遠征するたび、その地を訪れて手伝うなどし、経験を積んだ。当時、矢作調教師は次のように語っていた。

 「ゆくゆくはトップジョッキーになってほしい。若いうちに世界中の競馬を体験し、勉強したことを身につけてもらうつもりです」

 私も方々で彼と顔を合わせた。先述のオーストラリア、ドバイ、香港はもちろん、ちょうど1年前には英国のニューマーケットで行動を共にした。

 そんな昨年の7月24日、私は取材の都合で2カ所の競馬場を訪れることになった。すると坂井騎手は「連れて行ってもらえませんか?」と言ってきた。後学のためにやる気を示す若者を断る理由はなかった。そこで日中の開催のあるリングフィールド競馬場と薄暮開催のサンダウン競馬場を一緒に訪れた。後者は先週、ディアドラの出走したエクリプスS(G1)が行われた競馬場である。

 そこで坂井騎手が目にしたのはO・マーフィー騎手やJ・ドイル騎手が両方の競馬場で騎乗している姿だった。英国のトップジョッキーにはよく見られる光景だが、坂井騎手は憧憬(しょうけい)のまなざしを向けながらつぶやくように言った。

 「こういうジョッキーになりたいですね…」

 現在のところ師匠の青写真通り成長できていると思えるが“馬を水飲み場に連れて行っても、水を飲むかどうかは馬次第”と言うように、着実に成長できるか否かは坂井騎手自身の問題だ。いずれ世界に出て2場で乗れる騎手になってもらいたいものである。(フリーライター)

続きを表示

「レパードS」特集記事

「エルムS」特集記事

2020年7月10日のニュース