【NHKマイルC】ガーネット無観客戴冠へ“ソーシャルディスタンス調教”

[ 2020年5月7日 05:30 ]

3頭併せで坂路で追い切るシャインガーネット(中央)(撮影・西川祐介)
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 【G1ドキュメント・美浦=6日】シャインガーネットが他馬との間合いを取りながら坂路コースを駆け上がる。左右に位置する調教パートナーとの差は5メートル以上。そんな追い切りを見つめた長老記者の梅崎が“3密”とともに今最も耳にする言葉を口にした。「ソーシャルディスタンス調教!?」。新型コロナウイルス感染防止のため人と空けるべき2メートル以上の距離。馬はコロナに感染する恐れがないが、他馬と接近しすぎると闘志に火が付いてしまう。「特にこの牝馬はびっしり併せると、気の強さを見せて走り過ぎてしまうから」。栗田師も報道陣とソーシャルディスタンスを取りながら口火を切った。

 オルフェーヴル産駒らしい鋭い右の三白眼を光らせながら栗毛を躍動させる。「一戦ごとに力を付けています。見た目と違って普段は穏やか。牝馬っぽい神経質さもないが、他馬と接した途端にきつい面を見せる。そういう気性が競馬で走らせているのでしょう」。まさに“女オルフェ”。負けん気で走った父の特徴を体現する3歳牝馬だ。

 右回り阪神の桜花賞には見向きもせず、得意の左回りのG1に照準を定めた。重賞初制覇を飾った前走・ファルコンSを含め通算4戦3勝。敗れたのは右回り中山のフェアリーS(4着)だけだ。「左回りの方が行きっぷりがいい。フェアリーSはもたついていたから」と同師。主戦・田辺も「我の強いところがあるけど、東京の走りはいい」と口をそろえる。馬のソーシャルディスタンス調教で無観客G1獲りへ。「コロナ禍の中で競馬をさせてもらえるありがたみを感じながら送り出したい。ステイホームでぜひ、応援してください」と同師は締めくくった。

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2020年5月7日のニュース