【NHKマイルC】レーン、ルフトで雪辱!最終リハ伸び伸び12秒9

[ 2020年5月7日 05:30 ]

追い切りをおこなうD・レーン騎乗のルフトシュトローム(撮影・西川祐介)
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 5週連続東京G1の第1弾「第25回NHKマイルC(10日)」の追い切りが6日、東西トレセンで行われ、東の無敗馬ルフトシュトロームがWコースで機敏に駆けた。オーストラリアの天才ダミアン・レーン(26)は初コンビの相棒に好感触だ。西の無敗馬サトノインプレッサとの対決は、陣営にとって皐月賞のリベンジマッチ。史上3頭目の無敗戴冠で“借り”を返す。同レースの枠順は8日、確定する。

 26歳にして漂う職人の空気感。ルフトシュトロームの追い切りを終えたレーンの表情が和らぐことはない。堀厩舎VS矢作厩舎による無敗馬の激突はまさに皐月賞の再現。力の入る一戦へ、レーンは「3連勝中はいろいろな競馬を経験している。道中折り合ってしまいを伸ばせれば。テレビの前のファンにいい競馬をお送りしたい」と静かに闘志を燃やす。

 鞍上とは対照的に燃えやすい気質の同馬。併せ馬だと行きたがる面があり、最終リハはWコース単走。小気味よく上がるピッチに、勢いよく巻き上がるウッドチップ。最後まで馬なりでも、スピード感たっぷりに駆け抜けた。5F69秒0~1F12秒9の時計に、レーンは「気持ち良く走れていたし、単走で良かった」と納得。上原助手も「いい動きだった。折り合い、手前変換、口向きあたりに課題がある馬でしたが、ここまででクリアしてきた」と成長を伝えた。

 ここは東西名門厩舎の意地とプライドがぶつかる一戦になる。4月19日の皐月賞は堀厩舎サリオス、矢作厩舎コントレイルの無傷3連勝中の両雄が激突。わずか3週後のG1で再び、両厩舎の無敗馬(矢作厩舎はサトノインプレッサ)がぶつかる構図は異例だ。「3戦3勝は簡単にできることじゃない。これまでのレースぶりはVTRで何度も見ているし、彼とのコンビで最高の結果を出したい」とレーン。半馬身だけ敗れたサリオスのリベンジチャンスはすぐにやってきた。

 昨春、初来日していきなりG1を3勝。その活躍ぶりは“旋風”と呼ばれた。レーンは「(日本での騎乗は)凄く大きな経験になったし、自分を成長させることができた。今年も“旋風”と報じられるように結果を出したい」と腕をぶす。勝てば12年カレンブラックヒルに並ぶ最少キャリアV。皐月賞の悔しさを胸に刻むレーンが鞍上にいることが何より心強い。

 【吉兆のNZT制覇】NHKマイルCを無敗で制したのは98年エルコンドルパサーと12年カレンブラックヒルの2頭。両馬に共通しているのはニュージーランドT(98年は東京1400メートル)からの参戦だったこと。同レースを4角で不利がありながら勝ち切ったルフトシュトロームには後押しとなるデータだ。

 ◆ダミアン・レーン 1994年2月6日生まれ、オーストラリア出身の26歳。「歩きだした時には既に周りに馬がいた」環境で育つ。初来日した昨年はヴィクトリアM(ノームコア)、宝塚記念&有馬記念(リスグラシュー)とG13勝を挙げた。今年は堀厩舎とのタッグで【6・3・2・2】と勝率46・2%、3着内率84・6%と驚異的な数字を誇る。1メートル66、53キロ。

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2020年5月7日のニュース