ヒューイットソン JRA襲来!リーディング2度獲得、22歳南アの天才騎手

[ 2020年3月6日 05:30 ]

<ファルコンS>短期騎手免許で来日したヒューイットソン(中央)は早速調教に騎乗(撮影・西川祐介)
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 昨年から外国人旋風が続く中央競馬に今週から新たな“黒船”が襲来する。短期免許(~5月4日)で騎乗するライル・ヒューイットソン。アフリカ大陸の競馬大国・南アフリカ共和国で「天才」と称される22歳の新鋭だ。16年のデビューから快進撃。すでに同国騎手リーディングを2度獲得、G1・6勝の実績を誇るホープが異国の地ジャパンでベールを脱ぐ。

 春を告げる強風に乗って、アフリカの新星が見参だ。ヒューイットソンが5日朝、美浦トレセンを初めて訪れ、2頭の調教に騎乗した。「とにかく大きくて広くて馬が多い。母国にも似た施設があるが比べものにならないくらい素晴らしいね」。彫りの深い端正なマスクだが、まだ22歳。時折浮かべる屈託のない笑みに少年の面影が残る。

 英国人で元騎手の父・カールさん(55)の背中を追い、16年に騎手デビュー。まず見習騎手チャンピオンに輝くと、その後2季連続で騎手リーディングを獲得。見習騎手の首位獲得は日本でも活躍したマイケル・ロバーツ(72/73年)以来、45シーズンぶりの快挙となった。さらなる向上を目指し、今季からは香港に拠点を移して騎乗している。

 来日のきっかけはモーリス。香港でG1・3勝をマークした名馬だ。「香港での活躍を見て、日本にはこんな強い馬がいるのかと…。仲のいいオイシン(マーフィー)にも日本の良さを聞いていたから今回来ることができてうれしい」。コロナウイルスに揺れる最中の来日だが、無観客競馬は先行実施の香港で経験済み。「その点は何も心配していない。それより早くレースに乗りたいね」と意気込む。

 来日初週から騎乗オファーが殺到。弥生賞ディープインパクト記念ではオーソリティの手綱を任された。「過去のレース映像を見て、気になる点が2つほどあった。そこをケアしながら自分になりに試してみたい」。手の内は明かさなかったが冷静な分析力をのぞかせた。

 自身のセールスポイントを「馬のリズムを崩さず折り合いをつけること」と語った。「世界トップレベルの馬と騎手が集まる日本で、しっかり成績を残して今後のキャリアにつなげたい」。力強く宣言すると、最後は覚え立ての日本語で「アリガトウゴザイマス」と頭を下げた。世界が注目するホープが新たな風を吹き込む。

 ◆ライル・ヒューイットソン 1997年10月30日生まれ、南アフリカ出身の22歳。父・カール氏は英国、南アフリカ、マレーシアなどで騎乗した元騎手。15/16年シーズン途中に騎手デビュー。初のフル参戦となった16/17年に124勝を挙げ見習騎手チャンピオン。17/18年184勝、18/19年219勝で2季続けて同国騎手リーディングを獲得。G1は18年ゴールドチャレンジが初Vで通算6勝(全て南アフリカ)。今回の契約馬主は吉田勝己氏。1メートル66、53キロ。

 ▼国枝栄師(身元引受調教師)若くて格好いいし頑張ってほしいね。(自身が管理した)ダノンプラチナが南アフリカで種牡馬になっている縁もあるから。

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