【AJC杯】ブラスト復帰戦貫録V!凱旋門大敗ダメージなし GP馬やっぱり「力違う」

[ 2020年1月27日 05:30 ]

AJC杯を制した川田将雅騎乗のブラストワンピース(撮影・西川祐介)
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 「第61回アメリカジョッキークラブC」が26日、中山競馬場で行われ、昨秋凱旋門賞(11着)以来の復帰戦となったブラストワンピースが有馬記念馬の実力を示して1番人気に応え、重賞5勝目。G1馬の同レース優勝は99年スペシャルウィーク以来となった。また京都競馬場での「第37回東海S」では2番人気エアアルマスが重賞初制覇を果たした。 AJC杯

 これがグランプリホースの実力。ブラストワンピースが格の違いを見せつけた。昨秋凱旋門賞で11着大敗。屈辱を味わった川田には、心中期するものがあった。「今回どういう競馬ができるのか、ということがまず一番に大切なことだったのですが、これだけの内容と結果を伴って、今年初戦を制することができました」。安どの笑みを浮かべて振り返った。

 道中は4番手でリズムよく運んだ。しかし、4角手前でギアを切り替えた直後にアクシデント。前を走るマイネルフロストが故障で急失速した。それでも川田は冷静に対処。いったん外へ逃げてコーナーを回ると、今度はラチ沿いを先に抜け出していたステイフーリッシュ目掛けてインへ。一完歩ごとに差を詰め、残り50メートルで捉えねじ伏せた。川田は「届いてくれて良かったと思います。4角で残念なことに1頭故障してしまう馬がいて、それの影響を受ける形になってしまいました。それでも勝ち切れたのはグランプリホースですし、力が違うということ」と称えた。

 凱旋門賞から帰国後は、18年に勝った有馬記念を視野に調整。だが疲労と精神面の回復を最優先して回避。連覇を諦め、目標を切り替えた。今月初旬の帰厩時の馬体重は560キロ台。これまでの出走時と比べて約30キロ重かった。寒い時季で絞れず、1週前追いは明らかにモタついた。だが、今週の最終追いで動きが一変。何とか絞り込んだ体重は546キロと、それでも過去最高の数字だったが「シルエット、皮膚感を見ても、重ったるい感じはなかった」と大竹師。「前走で競馬に参加できなかったので、ホッとしているし、それが実力ではないと証明できて一番うれしい」と喜びをかみしめた。

 凱旋門賞の直後は「クタクタっていう感じで帰ってきた」と師。だが、今回は疲れた様子を見せるどころか、何度も右前脚で地面を蹴って、有り余る元気さをアピールした。今後は未定ながらも、大阪杯(4月5日、阪神)など国内の中距離路線を目標にしていく予定だ。フランスでの屈辱を糧に、心身共にひと回り成長したブラストワンピース。雪辱の、反撃の一年へ、絶好のスタートを決めた。

 ◆ブラストワンピース 父ハービンジャー 母ツルマルワンピース(母の父キングカメハメハ)牡5歳 美浦・大竹厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績12戦7勝(海外1戦0勝) 総獲得賞金5億7235万6000円。 

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