【有馬記念】馬主孝行シュヴァル 大魔神ばり“締め”魅せる!

[ 2019年12月21日 06:30 ]

我らLast Run(6)~ありがとう、そしてさようなら~

17年有馬記念で3着に終わったシュヴァルグラン(左から3頭目)
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 常に力を振り絞ってきた。3歳秋に3連勝して本格化した後、シュヴァルグランは大敗することなく上位着順を拾ってきた。掲示板(5着以内)を外すと、放牧に出て、すかさずリフレッシュ。エネルギーを最後まで出し切る、競走馬のかがみだった。 有馬記念

 17年ジャパンCの覇者。1番枠を最大限に活用し、インめから力強く抜けた。ただ、有馬記念には届きそうで手が届いていない。最大のチャンスは17年だった。直線を向いて猛烈に伸びた。だが残り150メートルで進路が狭くなり接触。3着に散った。友道師は「あれは痛かった。ゴール前で挟まれ大きく影響した」と今も悔しがる。

 すでに7歳。英国遠征で結果が出ず、ジャパンCも9着。ピークは過ぎたと周囲はみるが友道師の期待は変わらない。「ここ1年くらいかな。追い切りで動かなかった馬が動くようになってきたんだ」。常に全力を振り絞ってきた、あの闘志の火はまだ消えていないと断言する。

 ラストランの鞍上は福永。新馬戦にまたがり、その後もレースとは何かを教え続けた。17年ジャパンC制覇は福永の教育の成果と語る関係者もいる。昨年10月(京都大賞典4着)以来のコンビだ。「久しぶりの騎乗だけど一昨年、昨年と結果を出している舞台。ラストランなので有終の美を飾ることができればうれしいですね」。シンプルな言葉の中に気持ちを込めた。

 19日の公開枠順抽選会では佐々木主浩オーナーが「大外が出そうだ。出ちゃったー」とやって、周囲をどっと沸かせた。ラストランの枠順でここまで拍手を浴びた馬はいないだろう。注目を集めて、いざ大外枠から発進。現役時の大魔神ばりに最後を締めくくるか。=終わり=

 ◆シュヴァルグラン 父ハーツクライ 母ハルーワスウィート(母の父マキアヴェリアン)牡7歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・佐々木主浩氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績32戦7勝 総獲得賞金10億69万7000円。

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2019年12月21日のニュース