中心街は日常風景も…デモの爪痕残るシャティン競馬場への道

[ 2019年12月4日 07:30 ]

激動のHong Kong(1)

香港理工大学の入り口へ向かう歩道橋はバリケードの残骸で通行不可能(撮影・田井 秀一)
Photo By スポニチ

 政府に対する若者を中心とした抗議デモに揺れる香港。競馬の祭典・香港国際競走に過激化するデモの影響はないのか。現地で取材するスポニチ本紙記者が特別連載「激動のHong Kong」で迫る。

 3日午前に香港入り。早朝の到着便とあって、入国審査に並んだ“外国人”は記者を含め10人程度。空港関係者は「明らかに例年より観光客は少ない」と不安げな表情を浮かべる。とはいえ、中心街はデモの影響を感じさせない日常風景が広がる。小学生が笑顔で登校する姿もあった。

 ただ、シャティン競馬場へ向かう道すがら通りがかった香港理工大学にはデモの爪痕がくっきり。デモ隊が立てこもり、警官隊と大きな衝突。連日ニュースで報道されていた現場だ。大学の入り口へと続く歩道橋は今もバリケードの残骸があり通行不可。校舎に記されていた大学名も半分以上が焼失していた。選挙のため沈静化していた抗議運動が近日中に再び活発になる見通しで、大学周辺には「保安」と書かれたビブスを着用した人々が巡回。物々しい雰囲気が漂っている。

 競馬開催への影響は?主催者の香港ジョッキークラブは「我々はデモの動きを注視しています。現時点では全てのスケジュールが予定通りに行われることになっています」と強調する。まずはとにかく無事に。大事件が起こらないことを祈るばかりだ。

続きを表示

2019年12月4日のニュース