馬の“影”照らす映画 競馬場で上映しては

[ 2019年6月14日 05:30 ]

映画「今日もどこかで馬は生まれる」のパンフレット
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 【地方からの風】「今日もどこかで馬は生まれる」というドキュメンタリー映画を見た。

 日本で生まれたサラブレッドたちの一生を関係者の話を交えて描き出す。喜びに満ちた誕生から、競走馬として競馬の世界へ。緑のターフを駆け抜ける美しいサラブレッド。だが、現実はきれいごとだけではない。必ずくる引退のとき。繁殖や乗馬のセカンドキャリアに進むのは一部。大半が「行方知れず=殺処分」に。さらにはセカンドキャリアでも役目を終えれば処分される。馬生を全うすることが極めてまれという競馬産業の裏側も丁寧に描く。

 自身も競馬ファンの平林健一監督は「人と馬が共に生きていくために必要なこととは。自分たちにできることは何か」を考え、この映画を撮影した。競馬界でも「セカンドキャリア後=サードキャリア」を考える動きが本格的に始まった。JRAは今年から「引退競走馬の養老・余生等を支援する事業」を行うと発表した。

 引退馬支援のムーブメントとなるか。現在、この映画を上映する資金などを目的としたクラウドファンディングを行っている。24日まで、目標額は226万円。自主製作のため、一般の競馬ファンが見られないのはもったいないこと。以前、川崎競馬場のドリームビジョンで映画を上映する「ねぶくろシネマ」というイベントがあった。競馬場のビジョンを使ってこの映画を上映してはどうか。

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2019年6月14日のニュース