【日本ダービー】サートゥルナーリア95点 血管浮き状態抜群、2冠不安なし

[ 2019年5月21日 05:30 ]

状態抜群な仕上がりのサートゥルナーリア(撮影・亀井 直樹) 
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 全勝モンスターの筋肉で2冠奪取だ。鈴木康弘元調教師(75)がG1出走予定馬のボディーをチェックする「達眼」。第86回日本ダービー(26日、東京)では無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアをトップ採点した。日本の勲章で知られる旭日小綬章受章が決まった鈴木氏。その達眼が捉えたのはモンスターボクサー井上尚弥ばりの鍛え抜かれた筋肉だ。有力候補の馬体を日本の代表的な男性アスリートになぞらえながら診断する。

 2冠制覇の成否を分けるのは皐月賞優勝後の伸びしろです。ダービーまでの1カ月半でどこまで成長するかにかかっている。それにしても、ここまで変貌を遂げるとは…。サートゥルナーリアの体つきには驚きを禁じ得ません。肩とトモ(後肢)の筋肉量が明らかに増加している。天下分け目の大一番に備えて鎧(よろい)をまとったような重厚さ。その発達した筋肉には血管が浮いています。特に目立つのが前肢の二の腕と、後肢の後膝(あとひざ)の下。皐月賞時も薄い皮膚の上にうっすらと血管が映っていましたが、今度はひと目で分かる。ここまでくっきり浮き出るケースはめったにありません。

 アスリートになぞらえるなら…。ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者、井上尚弥の鍛え抜かれた“怪物”の腕。ミケランジェロの彫像のようにせり上がった筋肉に血管が浮かんでいます。日本時間19日、英国で行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ準決勝でIBF同級王者ロドリゲスにTKO勝ちした怪物君。プロデビュー時には「強い選手とだけ闘う」と公言したそうです。馬のモンスターも強い相手を選んでレースを重ねました。デビューはレベルが高い6月2週目の阪神新馬戦、2戦目に10月の京都オープン特別に向かい、3戦目にG1挑戦。4戦目にはクラシックに駒を進めた。4戦無敗の蹄跡も全勝ロードを突き進む怪物ボクサーを想起させます。

 井上のボディーが格闘の彫刻なら、サートゥルナーリアの黒鹿毛は疾走の彫刻。父ロードカナロア譲りの新陳代謝に優れた薄い皮膚に包まれているのは超一流のスケールです。深いトモのパワーを頑丈な飛節が推進力に変えている。キ甲(首と背中の間の膨らみ)は背中が短く映るほど後ろにせり上がっています。腹周りは休養明けだった皐月賞以上に余裕がある。ここまでマッチョになっても2400メートルをこなせるのか。新たな心配の種になるほど筋肉が付いたのです。

 皐月賞時に比べて立ち姿にも余裕があります。いや、あり過ぎると言うべきか。目も穏やかになった。緊張感の欠如とも受け取れるおとなしい目つき。2冠の偉業を前にした顔ではありません。マイクを向けられた井上のボクサーらしからぬ和やかな顔が思い浮かびます。決戦のゴングが鳴るまで1週間もある。レース前日に栗東トレセンから東京入りして2400メートルを走るのだから今はこれでいいのかもしれません。

 ともあれ、皐月賞以後の成長度は断トツ。1カ月半の伸びしろが2冠成就の可能性を雄弁に伝えています。

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の75歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。

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