【大阪杯】アルアイン復活!北村友、悲願のG1初制覇

[ 2019年4月1日 05:30 ]

直線で抜け出し、大阪杯を制したアルアイン=左(撮影・平嶋 理子)
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 伸び盛りの32歳が悲願達成だ!!G1馬8頭の参戦で盛り上がった「第63回大阪杯」は31日に阪神競馬場で行われ、9番人気のアルアインが好位のインから抜け出し、17年の皐月賞以来となる2度目のG1タイトルを獲得。鞍上の北村友一(32=栗東・フリー)はデビュー14年目でうれしいG1ジョッキーの仲間入りを果たした。2番人気のキセキが首差の2着。4番人気のワグネリアンが3着に食い込み、1番人気のブラストワンピースは展開にも恵まれず6着に終わった。 レース結果

 待ちに待った瞬間は、少しばかり予期せぬ形で訪れた。デビュー14年目の北村友が9番人気の伏兵アルアインを駆って、実に46回目の挑戦でJRAのG1初制覇。両手を天に突き上げて検量室前に引き揚げてきたが、涙はない。その理由を聞かれると、恥ずかしそうな笑みを浮かべた。

 「唐突すぎて、“ここで勝つの?!”という感じだったので…。こみ上げてくるとかはなくて、うまく気持ちを持っていけなかったですね」

 レース運びは完璧だった。軽く促して好位のインを確保。「スムーズだと燃えなくて、逆に段々となえていくところがある馬。だから、あえて馬の後ろで我慢させようと考えていました」。まさに狙い通りだった。直線でラチ沿いに進路を取るとジワジワ加速。残り1Fで先頭に立ち、一度はかわしたキセキにゴール前で詰め寄られたものの、何とか首差振り切った。

 「ソラを使って脚が鈍ったけど、気分を害さないよう、あえてステッキは使いませんでした。ブリンカーも2回目で慣れてくれて、効果がありましたね」

 これが3回目のコンビ。日々の取材では誰にでも優しい北村友らしく、気難しいパートナーの性格も掌握していた。3月9日の中京で落馬して顎を負傷。金鯱賞のアルアインは騎乗を断念せざるを得なかった。そして先週の高松宮記念には1番人気のダノンスマッシュで挑んだが、不利な外枠が響いて4着。ただ、悪いことばかりが続くことはない。一転、今週は内有利の馬場をフルに生かし、勝利へと導いた。

 「ケガや、いろいろなことがあったけど、ここまで頑張って良かった。これからもおごらず、自分らしくコツコツと、変わらない努力をしていきたいです」

 桜花賞のクロノジェネシスなど、大舞台に楽しみな馬がそろう。2つ目、3つ目のG1を勝つ日もそう遠くないだろう。

 アルアインにとっては2年前の皐月賞以来となる勝利が、2つ目のG1となった。次走は未定だが、池江師は種牡馬入りを見据え、「マイルや2400メートルのG1を獲らせて、箔(はく)を付けさせてあげたい」と宣言。息ぴったりの鞍上とともに、さらなるタイトル奪取を狙う。

 ◆アルアイン 父ディープインパクト 母ドバイマジェスティ(母の父エッセンスオブドバイ)牡5歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績16戦5勝 総獲得賞金5億11万900円(戦績、賞金ともに海外含む)。

 ◆北村 友一(きたむら・ゆういち)1986年(昭61)10月3日生まれ、滋賀県出身の32歳。06年にデビューし、初勝利は同年3月19日中京7Rのゴッドヘイロー。重賞初勝利は08年デイリー杯2歳Sのシェーンヴァルト。JRA通算669勝、重賞は17勝。血液型A。

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