土曜中京で菜七子2勝!名伯楽が絶賛「心臓に毛が生えてるんじゃないか」

[ 2019年3月23日 17:29 ]

中京3Rをエルズリーで制した藤田菜七子
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 もしかすると高松宮記念で奇跡が起きるかも!? そんな期待を大いに抱かせるほど、菜七子は大活躍だった。

 まずはこの日2鞍目の騎乗となった中京2R、5番人気のローザノワール(牝3=西園)で魅せた。半馬身ほど出遅れたものの、二の脚を利かせて2番手を確保。逃げたセブンティサンとの競り合いからグイッと抜け出し、初騎乗のパートナーを勝利に導いた。

 「二の脚で楽に前に行けたし、道中は楽でした。追い出してフワフワしたけど、それでも押し切ってくれましたね」

 ただ、これで終わったら“普通の菜七子”だ。今週はひと味違う。30分後の3Rでは4番人気のエルズリー(牝3=山内)と、これも初タッグ。2番枠から好位のインを確保し、手応え良く直線へ。ラチ沿いから逃げたシェルトファータの外に持ち出すと、ゴール前できっちり捕らえた。「行きたい馬が多かったので、行く馬の後ろで…と思っていました。最後はいい場所が開いたし、馬もスッと反応してくれました」と満足そうに振り返った。

 JRAの一般競走で導入された女性騎手に対する永続2キロ減の新制度によって、3月から3キロ減で騎乗。それ以降、3月3日(小倉8Rのアラスカノオーロラ)、3月9日(中京1Rのヒイナヅキ)、3月16日(中山7Rのハルサカエ)に続く5勝目。自身初の4週連続Vとなる5勝目については、「特にないです」と口をつぐんだが、自身の騎乗技術向上も相まって、いい流れで来ていることは間違いない。

 エルズリーを管理する名伯楽・山内師は、菜七子の手綱さばきを絶賛した。「うまく乗った。最初はへっぴり腰で、どこにいるかすぐに分かったけど、今は分からない。それに慌てないのがいいよ。心臓に毛が生えてるんじゃないか」。これが初の騎乗依頼だったが、「そんなに(レースで)馬に乗せていないけど、これでサインをもらえるかな!?」。これはジョークとしても、その手腕に惚れ込んだことは間違いない。

 サタデー桶狭間に吹き荒れた菜七子旋風。勢いに乗って迎える高松宮記念では11歳の古豪スノードラゴンに騎乗する。今年のフェブラリーSのコパノキッキング(5着)に続く、2回目のG1チャレンジ。「前回よりは周りをしっかり見て挑めると思う」と力を込める。自身が小学6年の時から現役を続ける大ベテランと力を合わせて、少しでも上位を目指す。

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2019年3月23日のニュース