【フェブラリーS】田辺、初騎乗の極意「余計なこと考えず」

[ 2019年2月15日 05:30 ]

田辺裕信
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 14年フェブラリーSで初騎乗のシンガリ人気コパノリッキーを優勝に導いた田辺裕信(35)はテン乗りの極意を明かした。

 フェブラリーSにおける大波乱と言えば14年コパノリッキーの劇勝。後にG1・11勝と競馬史に名を刻んだ名馬だが、当時は繰り上がり抽選を突破した最低16番人気。単勝2万7210円の超大穴を歴史的Vへと導いたのがテン乗りの田辺だった。当時をこう振り返る。「あの時は騎乗予定だったテスタマッタが直前で回避。コパノリッキーが出走可能となり、同じ村山厩舎の馬ということで乗せてもらった。もちろん急きょのコンビで調教にも乗っていないし、レースのVTRを見たくらい。人気もなかったし、深く考えずに乗った。返し馬の感触はよかったが、まさか勝てるとはね」

 くしくも今年、菜七子騎乗で注目されるのが同じ村山厩舎、同じ勝負服のコパノキッキングだ。「こういうチャンスをつくったコパさん(小林祥晃氏)は素晴らしい。本人はプレッシャーを感じているだろうけど、騎手として凄くいい経験になる。僕もG1初騎乗(10年朝日杯FS=タガノロックオン12着)の後は心に余裕が生まれ、より冷静になれた。メンタル面でも間違いなくプラスになる」。自身の経験を踏まえて後輩の挑戦にエールを送った。

 そして田辺自身も、再びテン乗りのサンライズソアでG1獲りに挑む。「先行して勝っているが出方次第かな。調教も乗ってないし、現時点では何とも…」。控えめに言葉を選んだが、田辺は屈指の“テン乗り名人”。JRA重賞28勝中10勝を初騎乗で挙げている。その極意をこう語る。「初めての馬は分からない分、楽しみな面が多い。余計なことを考えずに乗れる。それまでのレースパターンにもあまりこだわらないようにしている。それが馬にとって一番いいのかは別問題。もちろん、砂をかぶると嫌がるとか基本的な情報は事前に知っておきたい」

 最後に田辺は自身に、そして菜七子に言い聞かせるように締めた。「関東の騎手にとって関西馬は一回のチャンスで結果を残せるかが勝負」。後輩・菜七子を温かく見守りつつも、先輩として真っ向勝負を挑む。

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2019年2月15日のニュース